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美濃和紙あかりアート
 美濃市は岐阜県のほぼ中央に位置する25,000人ほどのまちで、市の中心部は屋根の両端に防火壁の「うだつ」を持つ町並みとして、国の伝統的建造物群保存地区に指定されている。この「うだつの町」を舞台に、1300年の歴史を誇る特産品の美濃和紙を使ったあかりのアート展が毎年開催されている。

 全国からプロ・アマを問わず作品が集まり、美濃和紙のあかりがストリートに並べられ、「うだつの町」をやわらかく照らす光景は幻想的である。さすがに全国から集まるとなれば作品のレベルが高く、1つ1つの作品を見てもかなり楽しめる。また、地元の小中学生も数多く出展していてるため、観光客だけでなく地元の人たちが親子連れで来て自分の作品を見つけて喜んでいる光景を見るのもほほえましい。

 昨年(8回目)は出展数450あまり、観客動員約4万人で、第1回目と比べて出展数が約6倍、観客動員が約10倍となっている。今年(9回目)はさらに増え、出展数は700を超え、観客動員数は人口のほぼ3倍にあたる75,000人が訪れたという。夜遅くまで開いていた店の幾つかは、おそらくこのイベントに便乗して普段より遅くまで開いていたのであろうが、集客力と例年より早く訪れた寒さが加わって、経済効果はかなり大きかったと思われる。

 イベントを運営する実行委員会は市民ボランティアに支えられ、作品は夜間、各民家の玄関に保管するなど市民の協力が必要不可欠となっている。地域固有の「美濃和紙」と「うだつ」をベースに現代風にアレンジする工夫もさることながら、住民がいきいきと暮らしながらまちを大切にしていることが魅力を高めていると思う。よく考えてみたら、メールマガジン59号の郡上八幡、60号の明智町、私が何度も訪れている犬山にも同じような魅力があって、どこも名古屋から十分日帰りできる距離にある。テーマパークにもリゾート地にもない、素朴なもてなしと四季を感じながら、これらのまちの魅力を味わってみるのもいかが?

→撮影した写真はブレていますが、集客の多さは伺えるのではないかと・・・。


(2002.11.7/浅野 健)