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勝川地区のまちづくり―愛知県春日井市―

 名古屋市の北部に隣接する春日井市は約30万人の人口があり、特に昭和40年代以降、大規模なニュータウン開発などが進み、急速な人口増加により名古屋市の衛生都市として発展してきた。

 春日井市内には名古屋から延びる中央本線の駅がいくつかあるが、一番西に位置する勝川駅を拠点に広がるのが「勝川地区」である。勝川地区は、春日井市の西の玄関口として位置付けられ、これまで様々なまちづくりが取組まれてきている。その根幹となるのが「勝川駅周辺総合整備計画」で、勝川地区が交通・商業・市街地形成などの視点からも重要な地区であることを踏まえ、玄関口としてのまちづくり、商業の活性化、居住環境の向上と人口の定着化など、様々な分野での整備が進められてきた。具体的には「鉄道高架事業」、「土地区画整理事業」、「市街地再開発事業」、「立体換地促進事業」、「駅前通商店街近代化事業」など、合わせて12もの事業が取組まれてきている。特に、立体換地促進事業は駅前の土地区画整理事業を推進するため全国で初めて事業化されたもので、話題となった。

 こうした取組みは平成元年頃から進められてきており、春日井市では国が駅前商業地などの衰退に歯止めをかけるため中心市街地活性化への対応を具体化する以前から、それと同じ視点によるまちづくりが先駆けて進められてきたといえる。そして、いくつかの事業は完了を迎えたが、現在も当初の計画に基づき事業が進められている。この11月には春日井市では2つ目となる立体換地ビルが駅南口にオープンの予定にあり、また、土地区画整理事業との同時施行による市街市再開発事業も再開発組合の設立に向け調整が進められている。勝川地区は、これまでのまちづくりの経験が活かされ、さらに発展しようとしている。残りの事業の完了が徐々に見え始めてきたことで、ますます楽しみな地区となってきた。


(2002.10.29/村井 亮治)