障害がある人、お年寄り、子どもなどすべての人が安心して暮らし、気軽に外出できるように・・・、
愛知県では1994年に「人にやさしい街づくりの推進に関する条例」が制定され、その目玉のひとつとして、「人にやさしい街づくり連続講座」が1995年以来毎年開催されている。この講座は、人にやさしい街づくりへの理解を深め、自らが課題を認識し、考え、行動し、人と人とのネットワークを広げる「場」として企画している。講座終了後、所定の単位を取得した受講生は人にやさしい街づくりアドバイザーとして県に登録され、地域で人にやさしい街づくりの取り組みを進めていくことが期待されている。東三河で開催されてきた講座も含め、これまでに、525名がアドバイザー登録されている。
この講座は約3ヶ月、10回程度の中で、障害者、高齢者、都市計画・まちづくり、社会保障等、人にやさしい街づくりに関する様々なテーマの講義、車いす体験やまちづくりゲームなどの体験もの、受講生がグループに分かれて、講座な課題の中からテーマを設定し、調査して提案し、公開の場で発表するグループワークをこなさなければならず、内容はハードである。また、それを支えるのが主に過去の受講生や有志の学生のサポートである。受講生は約10人ずつ5グループに分かれて、グループごとに討議をしたりグループワークを行うが、各グループに数人程度のサポートがつく。
これまでの県主導や委託先のNPOが主体で行われていたが、8年目を迎えた今年、過去のアドバイザー等有志からなる実行委員会が組織された。実行委員会形式も初めてなら、講座を総括するテーマ「わたしらしくまちで暮らすには」を設定したのも、受講生によびかけて「講座を記録する会」を組織したのも初めて。講座の内容も、車いす体験でJRツインタワー、動物園、水族館、商店街、美術館など、公共交通機関を使ってそれぞれが1日かけて往復したりするのも初めてなら、講義に「防災」というテーマを取り入れたのも、最終日に地域で活躍している過去の受講生などによびかけて、活動を発表してもらうのも初めて。このような「初」ずくしの今年は7月27日〜9月28日までで、今日(9月8日)現在、いよいよ本格的にグループワーク期間突入といったところである。
8年も続き、500人以上のアドバイザーを輩出してきたが、愛知県の人口700万人からすればほんの一握り・・・。「人にやさしい街づくり」を推進するためのは、その理解者をまだまだ広めていく必要があり、実行委員会のメンバーの一人として、自らの努力も必要だが、この講座の必要性も改めて考えさせられる今日この頃である。
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