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地方都市における駅前再開発の試み
 大都市においても大規模な商業・業務施設を建設し、その床の一部(保留床)をディベロッパー等に処分して事業費を捻出する再開発(保留床処分型)方式が成立し難い経済情勢にあって、ポテンシャルの低い小規模地方都市では、再開発の必要性が高い駅前地区であっても、保留床処分型事業の成立が極めて困難となっている。

 そんな状況の中、人口約4万人の愛知県知多郡武豊町、名鉄知多武豊駅東地区(約2.1ha)では、身の丈にあった再開発を模索するため、地元権利者と行政・商工会との協働]作業が進められている。本地区では、平成3年より3年間にわたって商業者が中心となって再開発の検討が重ねられたが、実現のめどがなく中断に至ったが、平成12年度より、居住者や地主も加わったコアメンバーに全権利者が自由に参画できるまちづくり研究会が新たにスタートした。

 開催回数はまだ少ないものの、常にコアメンバー以外の参加者があり、色々な意見・アイデアが出されている。商業者も行政マンも、一人の住民の立場から、駅前に望まれる「まち」を語ることから始め、地区の魅力づけの方法を検討してきた。現段階では、地元権利者、行政、商工会等の関係機関がそれぞれ調整と結束を図りながら、各自が最大限可能な範囲で「まち」に資産を築くための資金を投ずることで、実需に対応した更新型再開発の実現をめざす方針でまとまりつつある。

 事業成立にはまだ多くの課題が残されているが、今後の研究会のさらなる検討に期待したい。 











(2001.1.11/浅野泰樹)