桑名市では、21世紀の幕開けの年である今年、徳川家康の「東海道宿駅制定」と本多忠勝の「慶長の町割」着手から400年を迎え、平成のまちづくり「くわなルネッサンス」として、様々なイベントを展開している。
「慶長の町割」とは、1601年に初代の桑名藩主になった徳川四天王の1人である本多忠勝が行ったまちづくりのことであり、このまちづくりでは、町の中を流れていた川の流れを大きく変え、町を大改造した。桑名市は太平洋戦争の戦災により、市街地の8割を失い、戦災復興事業により、市街地の整備が行われたが、その整備の際にも、「慶長の町割」の時の区画が残されている。明治維新や戦災によって、歴史的な遺構はあまり残されていないが、まちの骨格に「歴史」が息づいており、その意味で歴史的なまちといっていいだろう。
桑名市では、400年の記念事業を契機に、今年を「21世紀のまちづくり元年」と位置づけ、市民・企業・行政のコラボレーションのもとに新しいまちづくりを進めようとしている。400年事業にも様々な市民が関わっているが、その多彩なとりくみには驚かされる。
「くわなルネッサンス」のメインイベントとして位置づけられる「桑名の殿様御台所祭(10月20日・21日開催)」は今年13回を迎える市民の手作りのお祭りであり、高級料亭のある花街界隈、元気な商店街として有名な寺町通り、骨董市の開催されるよつや通り、近代都市づくりで整備された八間通などを会場に多彩なイベントが行われた。
様々な市民団体のネットワーク形成を図る「平成の町割会」も作られ、民設民営の「市民活動センターわたし」を開設している。私は、様々な活動をされている方とお会いし、桑名の財産は「まちを愛する人」の存在ではないかと感じたのだが、このような活動が活発になったのも、最近のことであり、まだまだ一部の人たちの活動にとどまっているのが現状だというのが、活動をされている方の感じ方らしい。
このような中で、当社もお手伝いさせていただいている取り組みの1つが「まちづくりブック」の制作である。桑名市民に桑名のよさを知ってもらい、まちに関心をもってもらうとともに、まちづくりに主体的に関わってもらうことをねらいとしたものであり、昨年の12月に編集委員会を立ち上げ、8回の編集委員会を開催するとともに、インタビュー調査を実施したり、財産目録の作成を行っている。ようやく、おおまかな構成が決まり、グループに分かれて、それぞれの内容を検討しはじめている。
まちづくりブックは伊勢市でも作成されているが、桑名市のまちづくりブックの特徴としては、ホームページと連携させることを考えている。記録として残しておきたいもの、じっくり読んで考えてほしいことは「本」にする一方、最新の動きやさまざまなデータなどは「ホームページ」に掲載するとともに、意見交換の場となることも狙っている。
将来の「ホームページ」も念頭に入れながら、まちづくりブックのとりくみを広くPRするため、編集委員会のホームページも作成した。
http://www.spacia.jp/kuwana/
また、11月10日、17日には、歩いて暮らせる街づくりの観点から、まち歩きガイドマップ作成ワークショップを予定しており、この成果もまちづくりブックに反映させることができるのではと考えている。
桑名のまちづくりは、これまでそれぞれ個別に実施されてきたものが、市民参加のもとに大きな形になりそうな感じがしている。楽しみである。 |
桑名の殿様御台所祭
メイン会場「桑名別院」の特設ステージ
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桑名の殿様御台所祭
平成の大判・小判で買い物
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桑名の殿様御台所祭
フィナーレとなる千羽鶴ファイヤーセレモニー |
市民活動センターわたし
近々新しい展開のため閉鎖される
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