名古屋市内から、都市高速道路、南知多道路を経由して、一時間弱。7月の照り付ける日差しの中、「あぐりタウンげんきの郷」を訪れた。JAあいち知多の出資による「株式会社げんきの郷」が経営・管理をしている。施設内には、農産物を生産者が直売するファーマーズマーケットや地元の食材を使った料理が特徴のレストラン、農産物処理加工施設、温泉温浴施設(天然温泉)などが設けられている。
なんといっても、最大の魅力は、天然温泉「めぐみの湯」である。さらっとした無色透明の炭酸水素塩泉で、肌がつるつるになる。露天風呂のある、大浴場が2つ(日代わりで男風呂・女風呂となる)と、貸切にできるバリアフリーの家族風呂がある。年間20万人の予想が、開所3ヶ月で15万人を超え、年間40万人になる可能性が出るほどの人気。仮眠・休憩施設をつくらず、平均滞留時間を1.5時間に抑え、足ツボ・全身マッサージ(有料)を提供するマッサージ室があるのも嬉しい。(入泉料 700円)温泉の次は、やはり「食」。四季の野菜を生かした食彩処「だんらん亭」での食事や、加工施設「できたて館」のシャーベットやパンが人気のようである。この「できたて館」は女性ばかりの組織で有限会社を立ち上げ、産地原料での製造にこだわっている。
めぐみの湯と並んで、収益をあげている施設ファーマーズマーケット「はなまる市」は、生産者の名前入りの野菜や花卉、卵・乳製品など、主要25品目を常備する。一般のスーパー利用者から見ると、かなり安く感じる。開所から半年、げんきの郷への出荷が100%の農家が、20軒以上にもなっている。またそれをみた若い世代が農業に戻りつつある。確実な手ごたえを得て、「三ちゃん農業」から「家族まるごと農業」へとシフトしているようである。
一般消費者への憩いの提供と、地域産業の育成の双方を着実に進めていると感じた。
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