意外と知られていない現代アートのメッカである名古屋。数多くの小さなギャラリーが頑張っています。こうした動きは、文化不毛の地と揶揄される表の文化に対するカウンターカルチャー・サブカルチャーとして名古屋に根付いているのかも知れません。このような現代アートは、それ自体が持っている同時代性や、場の持っているエネルギーの表象としての役割などから、地域の多様なリソースと結びつきやすいものです。それも一般的には負のリソースと評価される資源や市民との結びつきが疎遠な空間との結びつきです。例えば、廃校となった小学校とか、産業の現場である工場や倉庫などです。
今回紹介するアートポートもそんな流れを汲むイベントでした。場所は、名古屋港ガーデンふ頭東部の倉庫群の一角。開催期間は、2000年7月1日〜11月26日でした。主宰は、アートポート開催実行委員会で、名古屋市と名古屋港管理組合で構成されています。開催内容は、絵画や映像、インスタレーションなどのオープンスタジオやフライデーナイト・フォーラム、メディアセレクト(展示)、遊びの公庫などです。
特徴的だったのは、「遊びの倉庫」で、子ども達のアジトとして倉庫を開放し、子どもたちにとっての刺激的な空間を創作するものでした。一方、こうした場とアートの意義、さらには港の今後の展開方向については、フライデーナイト・フォーラムで議論され、美術ジャーナリストの村田真氏の「場から生まれるアート」では、アーティストインレジデンスの可能性が議論され、「港のアートセンターへ:世界のこれまで、名古屋のこれから」では、名古屋港のアートのまちづくりの可能性が模索されたりと大変有意義な議論が展開されました。
こうした議論を受け、今後も名古屋発の現代アートの実験場として名古屋港での展開は大いに期待されるところです。今後も名古屋港からは目が離せないゾ!
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