やきもののまち瀬戸における最近のまちづくり動向を紹介する。最近、話題となった施設である新世紀工芸館と瀬戸市マルチメディア伝承工芸館―瀬戸染付研修所―、そして市民参加型コミュニケーションプログラムである「音&アート&せと」手作り音・樂コンサート(仮称)である。
新世紀工芸館
新世紀工芸館は、1300年の歴史と伝統をもつやきもののまち瀬戸において、産業の振興、陶芸・ガラス工芸の振興を図るとともに、観光の拠点としても期待されている施設である。とりわけ陶芸とガラス工芸の人材を育成し、地場産業の振興に寄与することが期待されている。この施設を建設するに際しては、市民や作家などで構成するワークショップ方式が採用されており、地域に根ざした施設として発足した。一時期は現代アートに偏る傾向も見られたが、本年7月にはワークショップに加わった作家や地元商店街の人などの交流会が開催されるなど、再度、地元志向の方向が確認され、地元作家を中心とした展示会が開催されている。
瀬戸市マルチメディア伝承工芸館―瀬戸染付研修所―
また、瀬戸市マルチメディア伝承工芸館―瀬戸染付研修所―でも、瀬戸染付技術の習得や、共同研究の発表などで瀬戸染付に関わる人材の育成を行っている。ここでは、月に一度、「瀬戸染付研修所公開講座 染付について学ぼう!!瀬戸染付伝承教室」を開催している。平成12年度としては、愛知県立芸術大学教授や出光美術館などから招聘することが予定されている。
「音&アート&せと」手作り音・樂コンサート(仮称)
こうした伝統的な工芸の振興方策に加えて、あらたな芸術の振興も模索されている。瀬戸市文化センター自主事業としての「音&アート&せと」の企画である。これは、公募により集める市民による手作りコンサート企画であり、数回に亘るワークショップにより、楽曲を創作し発表するという企画である。コンサートの制作及び運営についても市民スタッフが中心となるものであり、新たな市民参加型の事業として期待されている。興味のある方は、瀬戸市文化センターに問合わせてみるといい。
以上のような施策により、工芸や芸術によるまちづくりが行われているが、将来は、やきもの博物館の建設なども検討されており、より一層、工芸・芸術による積極的なまちづくりが期待されるところである
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