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大須30番第1地区再開発いよいよ着工へ
 これまで何度か報告をしてきた「大須30番第1地区市街地再開発事業」が先月、ようやく権利変換計画の認可を受け、いよいよ施設建築物の工事着工の運びとなった。地元では、2月に入りそれぞれに閉店のための売出しを行い、2月末には閉店、建物の明渡しを終え、3月から解体工事が始められている。

権利者から再開発の構想がもちあがってから11年余りが経ち、経済情勢も大きく変わり再開発の計画内容も大幅に変わった。ただ、事業規模は当時街区全体で描いていたものと比較すると小さくはなったが、計画内容の充実度は当時以上のものになったと思われる。

再開発事業は、多くの権利者の意向や変化する経済情勢などの様々な条件を踏まえながら何度も採算検討を行い、そして必要な法的手続きを執りながら進められる。権利者は、様々な思いや先行きの見えない経済情勢に不安を抱きながらも自らの人生設計や生まれ育った大須の将来を考え、何度も激論を交わしながらこの日を迎えた。前述したように事業の話が出始めて10年以上の時間が流れ、当時50代の権利者も60代になり、また残念ながら他界してしまった権利者を思うと、10年という月日がどれほど長かったを実感されられる。しかし、多くの問題を抱え思うように進展しない再開発事業が全国にいくつもある中で、10年余りで着工できたのは幸いな事かもしれない。

これまで当たり前のように目にしてきたお店も、毎日店先に立っていた権利者の笑顔も暫くは無くなり寂しさを感じるが、工事が順調に進めば平成15年末には真新しい権利者店舗と様々なテナントが入る再開発ビルが大須商店街に姿を現す。そこからは権利者自身が店舗の成功に向け勤しむ事になる。ただ、事業に関わったコンサルタントとしても、ビルの完成後も商店街の魅力向上と活性化に向けこれまで以上に様々な場面で関わっていきたいと思う。 

(2002.3.5/村井亮治)