今年の「ラバダブ」やスペーシアメールマガジン創刊号でも紹介してきた名古屋市中区大須地区で進められている「大須30番第1地区市街地再開発事業」が、この8月21日に組合設立の認可を受け、9月13日には本組合の設立総会が開催される予定である。
この事業は、名古屋市ではこれまで事例がなかった組合施行による再開発事業をめざしている。さらに、隣接する第2地区でも個人施行による再開発事業が計画されており、両地区で連携をはかりつつ、平成14年度内の事業完了をめざしている。今でも人通りの絶えない大須地区で事業が計画されていることと、2つの民間主導による事業が並行的に進められていることから話題となっている。
第1地区の再開発ビルは、大須商店街の玄関口にふさわしい機能やデザインを兼ね備え、地区の魅力向上と賑わいづくりに寄与できる計画をめざしている。建物の規模は地下1階、地上12階建で下層階は商業床、上層階は住宅床と業務床に分かれている。1階部分は今の商店街の雰囲気を残した権利者店舗が、また3階と4階の商業床には新聞等で話題となった中華をテーマとした魅力ある飲食フロアが計画されている。7月には権利者自ら中国に出かけ、江蘇省及び南京市の政府関係者との交流、中国の商店街の雰囲気や店舗デザイン等の情報収集が行われている。また、住宅は地下鉄駅近接の利便性を活かした都市型住宅が計画されている。
大須地区は、これまで厳しい消費社会を地元商店主自らの努力で乗り越えながら繁栄を続けきた。そして、今以上に活気ある大須となるための起爆剤としてこの再開発事業の成功が不可欠であると権利者は語っている。この地域でも有数の活気と賑わいのある大須商店街の一画で、新世紀を前に商店主による手づくりの再開発事業が今、動き出す。 |