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四日市市のICETTと四日市駅周辺整備

中部都市学会都市視察研究会(96.10.28)

 今回、中部都市学会視察研究会ということで、四日市市企画調整課の長谷川課長、藤井の両氏のプランニングした視察ルートに従い、以下の施設を見学した。

1.ICETT(国際環境技術移転研究センター)

 ICETTは、市の中心部から西へ車で約40分弱のところにある鈴鹿山麓リサーチパーク内に立地する。ここでは、世界に誇る日本の環境技術を生かし、開発途上国を中心とした諸外国を対象に研修・技術指導を行っている。

 外国からの研修生は長期滞在になるので、宿泊施設や食堂も充実していた。特に、ツインルームは室内、広さも申し分なく、自然に囲まれているので窓からの景色もすばらしい。しかし、食堂で出される食事は、例えばイスラム教では豚肉を食べないとか、食文化による違いに特に気を使われている。

 四日市というと、私たちの小さい頃は、「公害の街」というイメージが強かった。しかし、そんな面影もなく、現在ではむしろこのような施設があるので、「環境」をテーマとした市民レベルでの活動や、積極的なPR活動が行われれば、「公害の街」から「環境に取り組む街」としてのイメージ定着につながると思う。

2.博物館、じばさん三重、アムスクエア、都ホテル

 近鉄四日市駅前に1982(S57)年9月に県立四日市工業高校が移転したことにより、その跡地利用が検討されていた。しかし、土地所有者の県がなかなか動かなかったため、四日市(開発公社)が土地を取得し、これによって事業化が進んだ。

 博物館は常設展示で四日市の歴史を展示している。また今回、特別展示では、過去の式年遷宮で納められた数々の物が展示されていた。

 じばさん三重は、三重県と四日市、桑名、鈴鹿市をはじめとする17市町村、地場産業界の共同出資で、北勢地域の地場産業・産品を紹介している。施設としてはあまり大きいとは言えないが、専門店街と連絡しており、また市民の待ち合わせの場所に使われているということで、地場産業の振興・活性化といった設立の目的に少しでも貢献してると思われる。

 アムスクエア専門店街の目玉は、24時間通行可能な「アムスクエアモール」である。

 都ホテルは、たまたま結婚式ラッシュで、かなりの盛況ぶりだった。地上20階のレストランからの眺めはすばらしく、この日は空気が澄みきっていたので知多半島まで見えた。

3.本町プラザ

 伊勢電気鉄道本社ビルとして建設された建造物を改築したものである。

 3Fの女性センターは、市役所の一室から今年の8月に移動してきた。開館時間が月曜日から土曜日までAM9:00〜PM9:00ということもあって、市の職員は3人(女性課と女性センター兼務)と、アルバイトを含めて合計9人が交代制で、12時間の開館時間に対応している。約680uとあまり広くはないが、機能はコンパクトにまとまっている。全体的に段差をなくして弱者の視点にたって設計されていて、また、子供の部屋では床材を弾力のある素材を用いて元気に遊ぶ子供がけがをしないような配慮がなされている。

 環境学習センターでは、環境に関する情報提供と研修・学習の場であり、パソコンを利用して学ぶことが出来る。また、職員が廃品を利用して作ったソーラー自転車も展示してある。

●感想

 見学会の最後に、女性センター会議室で意見交換が行われた。この中で、女性センターという名称では男性が入りにくいという指摘があった。これに対し、四日市は女性蔑視が残っているため、このままの方がいいという意見が出た。また、女性課と女性センターは兼務ではなく、女性課が市役所から出されたのではという指摘もあった。

 この意見交換を聞いて、私にとって男女共生社会を知るうえでも良い機会となった。また、この視察ルートのおかげでこれだけの施設を効率よく見ることができたと思う。

(浅野 健)