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「Web2.0超入門講座」/小林祐一郎 著

インプレスジャパン/2006年7月出版

 昨年ごろから話題になり始めた「Web2.0」というキーワードを耳にしたことはあるが、その実態をあまり理解できていないという方も多いのではないだろうか。この本を読むまでは、私もその一人で、ブログやRSSなどといったウェブに関する新しい動きのことなのだろうと漠然と思っていた。この本には「Web2.0」のことはもちろんのこと、ウェブがこれまでどのように変化してきたのか、これからどのように変化していくのかについて、イラストや事例を交えながら初心者にもわかりやすく解説されている。また、オンラインショップで買い物をしてみる、Q&Aサイトで質問をしてみるなどといった「Web2.0」を体感するための10種類の方法が書かれている点も非常に初心者向けである。

 この本をお薦めしたいのはウェブに関する初心者向けの解説本として素晴らしいということだけではなく、今後ますます便利になっていくウェブを私たちがどのように利用していくのかということを考えさせてくれる本だからである。例えば、ブログやソーシャルネットワークなどといったユーザーが参加しやすいサービスの多くは無償で提供されているが、高機能なサービスを無償で提供する企業が何を目的としているのかを知った上で、自分の目的達成のためにサービスを使いこなすことが必要である。また、マスメディア発の情報よりも一般ユーザー発の情報が多くなり、情報の量や質、スピードも大きく変化しているため、どの情報を選び取るべきか判断する能力(情報リテラシー)も必要である。今後ますます進化していくウェブとの上手い付き合い方を学べる一冊であると思う。

(2006.9.11/山崎 崇)