おもしろい。今では環境のまちとして有名になった早稲田商店会の話しが大阪弁で読める。この前の「スーパーおやじの痛快まちづくり」(安井潤一郎著)もおもしろい本であったが、本書はそれ以上だ。ユニークな人たちが仕掛け人となってとりくむことが、まちをおもしろくするという典型だろう。
著者の藤村氏には、昨年愛知まちコンのシンポジウムでパネラーとして参加していただいたのだが、たった30分で話しをしてくれというのはどだい無理な注文だった。その時には十分聞けなかった早稲田のまちの取り組みが全国に広がっていくあたりの話しが本著でよくわかる。
私は、藤村氏も安井氏と同様、もともと早稲田で商売をされていた方だと思いこんでいたのだが、ラッキーチケット回収機をきっかけに早稲田にこられたという。今では早稲田商店会エコステーション事業部長として、また(株)商店街ネットワークの商品開発室長として、全国の商店街とのネットワークづくりに取り組まれている。2人の天才的詐欺師とはよくいったものだ。エコステーション旅日記をみるとその奔走ぶりに驚かされる。
全国各地の中心市街地が停滞している中で、商店街が地域コミュニティの核として重要な意味を持っているが、実際はそれだけの力を持っているところは少ない。全国の商店街のネットワークがその鍵を握るような気がしている。全国の商店街の人に読んでほしい1冊である。
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