まちづくりにおいて水辺の重要性が最近見直され、各地で多種多様な取組みが展開されている。名古屋でも堀川はじめ、中川運河といった都心の水辺への注目が徐々に高まっていると感じる。
この本は、全国でも最先端をいく「水都・大阪」を実践してきた著者らが水辺をまちづくりに取り込んでいく様々な“アクション”論を実践経験や国内外の事例を交えて展開している。水辺を活用したいと思っている人にとっては非常に役立つガイドであるとともに、大阪の凄さを痛感してしまう一冊である。
名古屋は大阪と比べると、まだまだ水辺と人の距離感が遠く、活用の入口の段階にいると思う。まずは、本書でいう最初のステップ「見つける」から取り組む必要があろう。水辺のもつ魅力を積極的な行動で見つけることである。そのための取組みとして紹介されているのは、SUPで水辺を散歩しよう、水上交通で川からまちを巡ろう、アートの力で水辺に目を向けよう、などなど楽しいアクションが目白押し。そして、それ以降、「伝える」「設える」「育てる」「広げる」という活用のステップが続く訳だが、先は長い。しかし、名古屋でも、最近堀川でSUPを見かけるし、中川運河でも水上交通が走り出した。具体的な動きも増えてきているので、今後が大いに期待できる。水辺好きな人は是非読んでもらいたい一冊である。 |