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「地域暮らし」宣言 学校はコミュニティ・アート/岸祐司著

太郎次郎社/2003.12.15

 5年前、ある研究会で手に入れ感銘を受け、図書紹介を書いたのが「学校を基地に<お父さん>のまちづくり 元気コミュニティ秋津」。その第2弾が本書である。秋津コミュニティの岸さんが名古屋で話をされるというので会場の撞木倶楽部に出かけ、そこで本書を手に入れた。この手の本は一般書店ではなかなか置かれていないので昨年末に発行されていたのに知らなかったのだ。
 5年前の著作で秋津コミュニティの魅力が一杯かかれているが、本書ではさらにそれがパワーアップされている。実際に岸さんにお会いして話を聞くとその理由がよくわかる。話がうまく、引き込まされてしまうのだ。学校へのお父さん引っぱりだし作戦もその1つ。お父さんの出番をつくる、ほめる、機会をのがさず誘い込む、リピーターとして参加しやすい機会をつくるなど・・・。まちづくりにおける住民参加の場面にも通じる。実際、秋津の活動は学校拠点に地域全体のまちづくりに広がっている。地域で出番を待っている人たちは一杯いるのだ。
 「人材活用」の発想をやめたという点も興味深い。「有能な人だけ来てほしい」と思われかねない呼びかけではなく、「自分が学びたい方、子どもと一緒に活動をしたい方ならどなたでもお越しください」という呼びかけをすることで、学校、大人の双方にメリットの生む協働のあり方が生み出されている。「できる人が、できるときに、無理なく、楽しく!」はどんな活動にも通じるキーワードといえよう。
 著者は秋津の実践を知った人から「秋津だからできたんですね」という質問をよくうけるという。それに対する答えが本書といえよう。ここには、そのための発想法とシステムづくりの方法が丁寧に記載されている。
 まちづくりのドラマとして読んでもおもしろい。こんなドラマの一員に自分もなってみたいものだ。

「学校を基地に<お父さん>のまちづくり 元気コミュニティ秋津」の図書紹介はここ
(2004.9.6/石田富男)