ニフティの都市計画フォーラムから生まれた本。東京理科大学の渡辺俊一教授はオンライン大学院と称し、大学院での講義の内容を公開し、広く意見を求めている。大学の講義そのものも都市計画フォーラムの参加者に講師を依頼し、生きた講義を実践している。まさに、パソコン通信を大学教育とまちづくりに効果的に活用しているといえよう。
本書では、都市計画マスタープランづくりに関して、先進的な取り組みを行った事例をその当事者に話してもらうとともに、プランナーと弁護士という立場から市民参加のプランづくりについて話してもらっている。さらに、大学院の講義にはなかったが、市民参加と学習の新しい可能性をパソコン通信に探ると題して、都市計画フォーラム等での取り組みがまちづくりにどのようにつながっていったかを紹介している。パソコン通信がこれからのまちづくりを変えていく可能性をもったツールであるということを示す好例だろう。都市計画マスタープランについてのみならず、まちづくりにおけるパソコン通信の可能性を知る上でも、ぜひ一読することをすすめたい。 |