現在の位置:TOP>まちづくりを学ぼう>図書紹介>策あり!都市再生〜第一線建築設計者から30の提言〜 WWW を検索 スペーシアサイト を検索

 

策あり!都市再生〜第一線建築設計者から30の提言〜
/馬場璋造+建築戦略研究会著 

日経アーキテクチュア編 日経BP社社/2002.9.23発行
 10年前80兆円以上あった日本の建設投資は、ついに60兆円を割りこむほどに落ち込んできているそうだ。特に2000年以降の2年間ではT兆円も減っており、今後もまだまだ縮小すると予想されている。
 こうような不況の中、建築界はもとより、日本全体の活性化をも視野に入れた都市再生への提言をまとめたものがこの本である。30もの提言は「建築戦略研究会」と名づけられた研究会の2年間にわたる活動の成果で、メンバーは大手建設、組織設計会社から40歳前後の有能なスタッフ14人が集められたそうだ。14人もの提案を1つにまとめるのはさぞ苦労が多かったことだろう。しかし、その甲斐あってか、本書の提言は一つのテーマに対し実にさまざまな視点のアイデアが盛り込まれており、意外な展開の方策が語られている。反面、アイデアが多岐にわたる分、実現性への問題点をいろいろ指摘したくなるのだが、この本を読んで一番感じたことは、私たちが日常ふと思った些細なアイデアが、多くの人の意見にもまれ、多くのアイデアと結びつくことで、意外なまちづくりの方策につながる可能性を持っているということである。自分も日々の仕事に流されてばかりではなく、些細なアイデアを忘れないうちに留めておく場所を持たなくてはと、強く感じる。
(2003.3.20/堀内 研自)