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効率が10倍アップする 新・知的生産術―自分をグーグル化する方法―/勝間和代著

ダイヤモンド社/平成19年12月

 本書は、いわゆる“ノウハウ本”で、知的生産術を身につけ、仕事の効率をアップさせた著者の成功例が紹介されている。著者は、20代から公認会計士二次試験合格(当時史上最年少記録)、中小企業診断士情報部門合格などの資格取得や功績が称えられアメリカ経済誌で受賞されるなど、いくつかの功績があり、その成功の裏には生産性向上に向けた努力を惜しまなかったことが要因にあると紹介している。なぜ自分が成功したのか?その背景にあるものとして、幼少から使い始めたパソコンを使いこなし、インプットの手段として読書を惜しまず(読書投資)、食と快眠を意識した生活習慣、ブログや出版によるアウトプットの実践などをあげている。それらを通して“自分をグーグル化する”ことができるのだと。グーグル化とは、グーグルはグーグル自身が何かをするのではなく、検索を提供しつつ人の知恵を集めて一人の知恵よりも大きなものを生み出している点に着目し、様々な情報を集め(インプット)、それを惜しみなく提供する(アウトプット)ことで、情報を受けた側がまた返してくれる関係になることだと記している。
 順を追って読んでいくとこれらの多くが実践できれば効率的になるだろうと思うが、改めて今の自分の実生活に置き換えると実践することは難しく、効率的になるだろうと思うのは一種の錯覚とも思えてくる。実際、著者自身も本書の冒頭に多く出回っているノウハウ本への疑問に触れており、自分の今の生活の中で一つだけ取り組めるものを見つけられればいいのかもしれない。日常生活の行動パターンから何か違ったことをしてみたいとお思いの方は手にとってみて欲しい。ちなみに、私自身は本書で紹介されている様々な技術のうち、“自転車(ママチャリではない)通勤”と“ノートPCを持ち歩く”の2項目も実践済みだが、あまり効率アップにつながっていないのはグーグル化には程遠いのかもしれない。

(2008.2.19/村井亮治)