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「けんちく体操」/チームけんちく体操 著

エクスナレッジムック/2011年4月23日発行

 「けんちく体操」をご存知だろうか。「建築物を模写する体操。外観だけでなく、構造や用途、個人的に抱いた第一印象などを身体で表現するもので、身体能力以上に、建築を見る、知る、愛する情熱が問われる体操である。・・・」、と定義を聞いても、よくわからないと思うので、ぜひ表紙をご覧いただきたい(公式ホームページhttp://kenchiku-taiso.com/にも表紙が掲載されている)。東京タワーの前で赤と白のジャージを着た3人の大人が、マジメな顔をして、足を左右に開き、手の平を合わせて頭の上にまっすぐに伸ばしている写真がその表紙である。つまり、身体を使って東京タワーの模写をしているのである。
 この「けんちく体操」は、子ども向けのワークショップ用に、東京都江戸東京博物館の研究員や学芸員が中心になって建築を身近に感じてもらうために編み出されたものである。ワークショップでは、建築物の写真を見た参加者が建物全体でも、印象に残った部分でもよいので思い思いに建築物の形を自分の身体を使って表現をするそうだ。よって本著で紹介されている体操は「正解」ではなく、「お手本」であるとのこと。ギザの三大ピラミッドに始まり、国会議事堂や東京ビックサイト、マリーナベイサンズ、東京スカイツリーなどの国内外の有名建築物を模写した全部で73の「お手本」が掲載されている。1人でできるものから9人がかりで模写しているもの、なるほどと関心するものから思わず首をかしげてしまうものまで実に様々であるが、模写に取組むシュールな写真も、建築物の歴史や構造といった知識もどちらも真剣で面白い。
  なお、名古屋駅前の「モード学園スパイラルタワーズ」も73の体操のひとつとして紹介されている。8月には、栄のナディアパークでワークショップの開催が予定されている。新聞や雑誌、インターネットなどでの掲載も増えており、有名建築物の前で不思議なポーズで記念写真を撮影する光景に遭遇しても驚かないよう、ぜひご一読いただきたい。

(2011.7.15/山崎崇)
・けんちく体操 公式ホームページ
http://kenchiku-taiso.com/

・ナディアパークでのワークショップ情報(8/28)
(名古屋市ホームページでの情報掲載終了。2011.9.9修正)

○けんちく体操ワークショップIN名古屋(2011.9.9追記)
http://www.spacia.co.jp/Topic/event/kenchiku-nagoya/