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環境問題が驚異的によくわかる/ラリー・ゴニック アリス・アウトウォータ著

白揚社/1998.12.15

 どういった仕事においても偏った考え方が一番貧弱な発想につながります。都市計画の仕組みが全て解っている人間が集るほどに、面白見のない"まち"が出来あがると思います。また、なにも知らずに持論をもった人達だけがが集っても同じ結果です。良い発想というのは物事を体系的に理解することからはじまります。

 テレビのニュースで映し出された、油にまみれた野鳥を見て、環境汚染を考えます。ところが、それだけでは野鳥が油にまみれるまでの経緯は知ることができません。どこで生まれ、なにを食べて育ったかなど、また、その出来事で自分にどのような影響があるか理解できない人が、私も含め大多数でしょう。

 海原に浮かぶ流木を見て、その下にいるプランクトン、それを食べている小魚、小魚を食べにくる大型魚、それを追いかけてくる鮫さらには、"ふかひれ"を手に入れようとする人間、というような一連の考えが発想できるかどうか、この本はそんな体系的な考え方とアイデアを生み出す頭をつくりだすための、訓練をする本です。絵の部分も多く、子供が読んでも今の地球上で起こっている状況がビジュアル的に理解できる内容となっています。

 (2000.9.8/藤澤)