自分がもう少し頭が良かったらなあ、と思ったことは誰にでもあるはず。特に仕事でよいアイデアが浮かばず、つらい思いをされている方も多いでしょう。この本は、「もっと頭を良くするには」「良いアイデアはどうやったら出てくるのか」といったことに、医学的な脳の働きから、きちんと答えていて、とても好感が持てます。
この本は各章の終わりに簡単なまとめが載っており、そのキーワードを見るだけで、思わず読みたくなる人も多いと思います。いくつか抜き出すと、「『もの忘れがひどい』は勘違い」「脳の本質はものとものとを結びつけること」「30歳を過ぎてから頭は良くなる」「脳は疲れない」「脳に逆らうことがクリエイティブ」「やりはじめないと、やる気は出ない」「受け手がコミュニケーションを磨く」「失恋や失敗が人をかしこくする」「やりすぎてしまった人が天才」「言ってしまったことが未来を決める」などなど。
本文には、脳を都市や社会にたとえた表現がいくつかあり、脳と人間と都市というものが非常にリニアに繋がっていることに驚かされます。最後にこの本には「脳のはたらきがとてもいい」状態とは「何かと何かをタイミングよく結びつけられる」ときだとありますが、まさにまちづくりがうまくいくときも同じなのではないでしょうか。「何かと何かをタイミングよく結びつけられる」能力こそ、コンサルタントに求められる重要な能力なのでしょう。
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