本著は、本年5月に施行された自転車活用推進法にあわせて発行され、2014年 発行の「自転車”道交法”BOOK」を再編集したものである。
「自転車活用推進法」をご存知ない方も多いと思われるが、プロローグ「自転 車活用推進法とは?」で、起草者である小林氏が法律の目的や内容はもちろん、自転車 環境がどう変わっていくのかも含めて丁寧に解説をしている。駅前に放置してある迷惑 物、自動車にとって邪魔な存在への「対策」のためのこれまでの法律とは異なり、自転車を 「活用推進」するための基本法であり、国が中心となって「自転車による交通が(中略)公共 の利益の増進に資する」という基本理念にのっとり施策を実施することを定めているの が、この法律の重要かつ画期的なポイントである。また、自転車レーンなどの整備やシェアサイ クルなどの施設の整備といった15項目の重点検討施策もあげられている。
8月から国の自転車活用推進計画の策定に向けて有識者会議も始まり、既存法 令との整合性や省庁間での調整といった課題もあると思うが、施策が実施され、自転車 環境が 変わっていくことを期待したい。
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