現在の位置:TOP>まちづくりを学ぼう>図書紹介>図解エコハウス WWW を検索 スペーシアサイト を検索

 

「図解エコハウス」/竹内昌義 森みわ 著

株式会社エクスナレッジ/2012年12月7日発行

 ドイツ発祥の超省エネ住宅「パッシブハウス」を研究し日本型エコハウス確立を目指し活動している森氏と、山形エコハウスなどを手がけた竹内氏の共著である。今後必要になる本当のエコハウスとは、「我慢しなくていい省エネ」、「健康的で快適な省エネ」であり、目標は冷暖房がエアコン1台で成り立つ家であると述べている。
  第1章では、立地や断面構成、気密、窓といった建築に関して、第2章では、冷暖房や換気、太陽熱温水器や一次エネルギーの考え方といった設備に関して、イラストと丁寧なコメントで図解されている。例えば、エコハウスにした際にアップする予算に関して「ものすごく単純化すると約15%くらいプラス、たとえば3,000万円の家なら450万円になると捉えてください」と述べられ、窓などの開口部を最初に検討し、後から設置できる太陽熱温水器やバイオマスストーブは次に検討すべきなどのアドバイスも非常にわかりやすい。
  第3章では、ヨーロッパの最新パッシブハウスから、森氏が賃貸のまま省エネ改修をしたタウンハウスなど様々なエコハウスの事例が写真つきで紹介されている。
  「日本の住宅はエネルギーを浪費しまっくている(飯田哲也氏)」と、「電気で熱をつくるのは、実は電動のこぎりでバターを切るような大げさなこと(エイモリー・ロビンス氏)」の紹介されている言葉は、本著を読むとまさにその通りであることがわかる。これからのエコハウスや、より少ないエネルギーでより豊かに暮らす方法について考えていただくために、ぜひお読みいただきたい一冊である。

(2013.3.18/山崎 崇)

参考
・図書紹介「エコハウスのウソ/前 真之 著」
http://www.spacia.co.jp/Mati/tosyo/ecohousenouso.html

・図書紹介「原発と建築家/竹内 昌義 編著」
http://www.spacia.co.jp/Mati/tosyo/genpatsutokenchikuka.html