2012年に紹介した書籍「エコハウスのウソ」の増補改訂版が出されたので、ご紹介したい。
「エコハウスのウソ」というタイトルだけ見ると攻撃的な印象を受けるかもしれないが、
初版同様、中を覗くとイラストや比喩表現がふんだんにあり、冷暖房や吹抜け空間、
再生可能エネルギーなどに関する常識の多くに、様々な誤解があることがわかる。27の誤解が紹介されていた初版に、省エネ基準や日本の気候、断熱や気密といった
建物の外皮性能に関する誤解が主に追加され、増補改訂版には40の誤解が紹介されている。
特に、2020年に義務化される平成25年省エネ基準については、『そのレベルは「バカな
ことをやらなければクリアできる」程度にならざるを得ない。「H25基準を満たしているから省エネはバッチリ」などとは、なりようがない』、『「札付きの不良」な住宅や設備を排除する「底上げ効果」は確かに期待できる』などと、非常にわかりやすく解説されている。
エコハウスの3要素である「外皮性能の向上」・「自然エネルギーの活用」・「高効率設備」のうち、断熱・気密といった「外皮性能の向上」については、後からの改修では高コストになるため『新築時にしっかり行うのが吉』であるそうだ。真のエコハウスが増えることはもちろん、コストを抑えた改修によって既存住宅がエコハウスに近づくような技術開発が進むことにも期待をしたい。 |