旅行へ行った際にお土産選びで迷ったことはないだろうか。お土産屋の「当店人気No.1」のポップや、焼き印入りのおまんじゅうやクッキーに飽き飽きしてはいないだろうか。定番から少し外しながらも、その地ならではの特産品であり、良質で手頃価格の商品を探し当てるのはなかなか難しい。
お土産選びに煩わしさを感じたとき、ぜひこの一冊を参考にしていただきたい。この本では、全国のお土産食品が地域別に約250点紹介されている。フルカラーのため見ているだけでも楽しく、巻末には取扱店舗や販売価格が掲載されており、いわば商品カタログともいえる。また、デザインコンセプトやモチーフ、工夫点の明記により、雰囲気的に感じる良質さの理由が説明されているため、名称付け、フォントや色使い、パッケージの展開方法の手法など、要素一つ一つがおもしろく感じられる。
一般的に誤訳されがちな「design」の中でも、特にパッケージデザインは“色・形整えて見栄えを良くすること”だと思われることが多いが、そうではない。私は、お土産におけるパッケージデザインを、“地域や特産物の性質を深堀・分析したうえで、どうしたらそれを魅力的に伝えられるかと考えること”であると思う。この本は、その具体的な手法を紹介してくれている。
お土産屋での選択肢の幅を広げたい方、特産物のPRに取り組む方には、是非お勧めしたい一冊である。 |