本著は、2013年12月からWEB上に掲載された4コママンガを書籍化したもので、日本のどこにでもありそうな平均的な架空の地方都市を舞台に、住んでいるまちの現状や課題を知った女子高生たちが、地域活性化に取り組み始めるという物語である。
著者は、ここ数年、新聞やテレビ、ネット等で頻繁に出てくる言葉「地域活性化」とは何だろうと疑問を持ったことをきっかけにこの4コママンガを描き始めたそうである。「地域活性化」という重いテーマでも気楽に読めるようにキャラクター設定された女子高生たちの会話のやりとりを読むだけで、地方都市が抱える課題が自然に理解できるだけでなく、女子高生や女性教諭だから
許されるような辛辣な表現などがTwitterなどでも話題となり、昨冬に書籍化に至ったようである。
『カネがない「地方」は「カネでにぎわいを作る」んじゃなくて… 「にぎわいでカネを作る」ようにしないといけないんだよ わかるか?ふたりとも この違いが』、緊急雇用創出対策とは『…平たく言うと… つまり…… 「国が金出してやるから地方行政で金回して雇用をさっさとなんとかしろや」ってこと……かな?』など、一見すると強い表現ではあるが、地方都市が抱える課題の核心をついているように思う。
4コママンガから一般的なマンガ形式に再構成し、コラムも付加した上で書籍化されており、非常に丁寧でかつ情報量も適度な「地域活性化」の入門書に仕上がっており、高校の授業テキストに用いられたり、国会審議で取り上げられたりもしている。著者が望む「自分の住んでいる地域に対していろいろと考えるきっかけ」となるよう、是非多くの人にお読みいただきたい。なお、Web上では、続編の4コママンガの掲載も始まっているので、そちらもご覧いただければと思う。 |