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バスはよみがえる/秋山哲男・中村文彦編

日本評論社/2000.3発行

ここ数年でバスをとりまく環境が大きく変化している。身近な生活の足である路線バスが、2002年2月1日からの「改正道路運送法」施行で、公的な規制が取り払われ、事業への参入や赤字路線からの撤退が自由になる。これはバス交通の在り方が各自治体の主体性にゆだねられることを示す。

 「バスはよみがえる」はこの規制緩和決定を受け、2000年3月に出版されたもので、大学・研究機関・コンサルタントなど総勢7名の著者が、国内外の多種多様な事例を紹介しながら、バス利用の問題点、規制緩和に向けて議論されるべき論点を分かりやすく説明している。中でもイギリスの事例などは規制緩和後の各自治体の取り組みが詳細に紹介され興味深い。

 東海地域でも小牧市の桃花台ニュータウンと春日井市のJR中央線春日井駅を住民有志で自主運行する「桃花台バス」や瀬戸市の名古屋学院大学スクールバスの住民相乗り利用など、様々な取り組みがこの4月から始まっている。20世紀までのバスの総まとめとして、また21世紀のバス施策へのヒントとなる一冊である。
 
(2002.4.6/竹内 郁)