5月の大型連休を利用し、四国の松山市を訪れた。松山市というと名城松山城とともに有名なのが、夏目漱石が愛した道後温泉である。温泉街の中心にある道後温泉本館は明治27年に建築された木造三層楼の建物で、国の重要文化財に指定されている。10年程前に一度訪れているが、この時は道後温泉本館周辺は一般的な道路で、自動車の通過量が多かったと記憶していたが、現在では石畳が整備されて歩行者用道路となり、人力車の発着所と路面店で賑わう空間に替わっていた。後から松山市のホームページで確認したら、国のまちづくり交付金事業が活用されて平成19年4月に完了している。
松山中心部での移動は、主に路面電車を活用した。前に訪れた時にも路面電車を利用したが、現在では明治時代の蒸気機関車をディーゼルエンジンに積み替えて復刻した「坊っちゃん列車」が、道後温泉駅と松山市駅の間を1日8往復(3〜9月は10往復)運行している。平成13年よりこの坊っちゃん列車を走らせているということだが、運行中は若い車掌さんによる街案内と列車の汽笛が心地よく、松山市駅では客車を車掌さんが人力で方向転換を行うので、これを楽しみにしているファンも多いようだ。なお、この路面電車については、超低床電車が平成14年3月に導入されてバリアフリーにも対応している。
道後温泉本館前は歩行者専用道路にしたことで来訪者がゆっくり写真撮影や食べ歩きを楽しめる。坊っちゃん列車に乗れば松山の中心部をゆっくり巡ることができる。両者に共通するのは、自動車主体のまちからの転換、来訪者が少しでも長く滞在したくなる仕掛けであり、大変参考になった。
リンク
松山市道後温泉事務所のホームページ http://www.city.matsuyama.ehime.jp/dogojimu/
道後温泉(旅館協同組合)のホームページ http://www.dogo.or.jp/
伊予鉄道(株)のホームページ http://www.iyotetsu.co.jp/
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