昨年11月に木造都市研究会「木愛の会」のツアーで台湾を訪問した。会長の高松伸氏の建築作品を見学しようというのが発端であったが、あわせて象設計集団の作品も見学することができた。
台北は世界一の高層ビル「台北101」があることに象徴されているように元気なアジアの典型。高層ビルやMRTなどの建設が進む一方で、昔ながらの問屋街や夜市が各所にあり、生命力があふれている。食も豊富であり、また訪れてみたいと思わせるまちだ。このあたりは下記の写真を見てもらうこととして、ここでは建築ツアーで訪問した作品について紹介したい。
■高松伸作品
高松伸氏の台湾第1作は、1999.8から設計に入り、2002.12に竣工した「BLACK PEARL」である。台北北部の基隆河沿いにあり、国内便の松山空港が川の対岸に位置する。遠くからでもその独特の外観がよくみえ、建物自身が広告塔の役割を持っているという。オフィスはもう1つ「LAND OFFICE」という作品がある。
集合住宅では、2004.1に竣工した「御松園」を皮切りに、2006.12竣工の「台北之冠」、近々竣工予定の「忠泰風格」を訪問したが、この他にも3つの集合住宅の建設が予定されているという。台湾事務所の方の話によると、高松伸氏の集合住宅が人気が高く、ブランドとして定着してきているという。また、台湾では、住戸は北向きがよい、水が流れていないとダメなど、風水が設計においても大きな要因を占めるといい、日本との違いが興味深い。
■象設計集団作品
象設計集団が台湾で仕事をはじめたのが1986年。1988年には台湾事務所を設立し、手がけた仕事が宜蘭縣の冬山河親水公園である。全体の基本設計から3期の工事を経て1994年に完成。スポーツレクリエーションの場としてにぎわっているという。屋外ステージの観覧席には小学生による、貝殻、陶片、ビー玉などを使った嵌め絵などもあり、象設計集団の特徴がでている。
次いで手がけたのが宜蘭縣の公共施設の建替えとあわせたニュータウン計画であり、120haの全体計画とともに、縣庁舎、縣議場、縣史館などが設計された。縣庁舎、縣史館の屋上は緑化が行われており、緑がふんだんに取り入れられた建築となっている。
このほか、最近は温泉施設の設計も手がけているということで湯圍溝公園を訪問。湯圍風呂や足湯亭を見学した。
異なる作風の建築であるが、いずれも台湾の人々に受け入れられ、日本人が活躍しているという点が興味深い。台湾は1895年〜1945年は日本領であったという歴史もあり、その面影もまちに残っている。次回の訪問の際にはこんなまちをじっくりみてみたい。 |
御松園(北面)
風水から、北面が正面になるのがよいとされる。
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御松園(南面)
空調設備などがおかれており、裏のイメージ
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御松園
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御松園
玄関のところに水の流れが作られている。
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忠泰風格
現在建設中。120戸。
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忠泰風格
風水から、水の流れが作られる。
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BLACK PEARL
遠方からでも独特の外観がよくわかる。
夜景はさらに目立つという。
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BLACK PEARL
近くでみると独特の曲線が美しい。
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BLACK PEARL屋上
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BLACK PEARL屋上からみた台北101
前面の空港ごしに台北市外が一望できる。
台北101はその中でも一際映える。
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冬山河親水公園
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冬山河親水公園
屋外ステージにある嵌め絵
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宜蘭縣議場
最近の台風で壊れたところがまだそのまま。
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宜蘭縣史館
屋上は庭園となっている。
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宜蘭縣庁舎の屋上庭園 |
湯圍溝公園の足湯亭
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台北101
階数101階、高さ508m。2004年建設。クアラルンプールのペトロナスツインタワーを抜いて、現在世界一の超高層ビル。しかし、2008年にはドバイの「ブルジュ・ドバイ」(高さ800m超)に抜かれてしまうこととなる。
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台北101のB1〜4Fにあるショッピングモール
巨大な吹き抜け空間は見ごたえあり。
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MRTの駅
1回券はカードではなく、コインに変わっていた。
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MRTのホーム
広々とした空間が新しさを感じさせる。
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街なかの公園
子どもが元気に遊んでいた。
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バイクが一杯の道路
自転車の駐輪よりもバイクの方がはるかに多い。
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士林夜市
身動きできないほどの人ごみ。
こんな風景が毎日とは驚き。
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士林夜市の朝の風景
朝8時でも結構にぎわっている。
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