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新居町のまちづくり/静岡県新居町
 先日、建築学会東海支部の春の交流会での視察会に参加し、静岡県新居町のまちづくりと町並を見学した。新居町を地元役場の方に案内してもらい、新居町のまちづくりついて説明を受けた。
 新居町は、日本で唯一現存している新居関所があるまちで、関所を中心にまちづくりが行われている場所である。新居関所は、1600年(慶長5年)に徳川家康によって新居関所が設置され、東海道第31番目の宿場町として栄え交通の要所として繁栄。新居関所は1855年(安政2年)に建て替えられた建物が現存しており、現在では国指定特別史跡(1955年指定)となっている。

 新居町では、関所をまちの重要な資源としていくために、住民が中心となりまちづくり組織を立ち上げている。そこでは、まち歩き調査、まちづくり先進地視察、まちの中に案内板を設置したりと住民の町への思いが伝わってくる。さらに、まちづくり塾の開催などを行い、組織の充実を図り、新たな部会を立ち上げ、小松楼の管理運営を行っている。小松楼は、大正から昭和初期にかけ芸者さんが住んでいた町の近代史を知ることができる建物になっており、当時の雰囲気がそのままに残っている。

 関所周辺では、大御門復元整備の計画があり、交通安全事業による歩道新設整備において都市計画道路で決定され幅員12mで進んでおり、復元は厳しい状況にあった。しかし、新居関所前が事業区間外であり、大御門復元が可能となって復元に向けて動き出している。さらに、この大御門は歩道上に復元され、新居町の新しい顔が生まれると考えられ今後の注目すべきまちの一つになるのではないかと考えられる。

新居関所

小松楼

新居町の路地風景

 
  (2008.4.25/朝倉 卓也)