大阪市の南海なんば駅の南、大阪球場を中心とする難波再開発の核施設として、2003年10月に複合緑化都市「なんばパークス」の第1期が完成している。1期開業より3年半、当初整備された商業施設・高層オフィス・屋上庭園に、2期工事としてさらに拡張された屋上庭園「パークスガーデン」や大阪市内最大級のシネマコンプレックス、新たな商業施設等が加わり、今年4月19日に全館グランドオープンした。
岐阜市の高島屋南地区市街地再開発事業では、これまでアーケード街の柳ヶ瀬商店街にない「緑・光・水」をふんだんに取り入れた、屋上庭園一体型商業施設「スッテプガーデン」を中心に商業・生活複合拠点の形成をめざしている。権利者の多くは、屋上庭園の緑は良いが、管理が大変になるのではないかという不安が大きい。規模の違いはあるものの、先進事例としてなんばパークスを権利者とともに訪れた。
屋上庭園は、全体で約11,500u、約300種、約7万株の樹木・草花が植えられている。屋上庭園の建築技術は進んでいるが、なんばパークスでも計画段階では、管理費用の低減化が大きな課題となっていた。そのため、大阪の気候に合い、手入れが少なくて済む品種を導入し、屋上庭園の維持費を経費全体の3%におさえる工夫をしているという(南海都市創造梶u永田修一」氏談)。
屋上庭園を訪れる人は、中高年層が多く、第1期のヤングをターゲットとした商業施設の顧客にならなかった。このため、中高年層をターゲットとする店舗や飲食店を拡充している。また、屋上庭園の緑の中の落ち着いた雰囲気は、レストランの誘致に大きな効果があるという。隣接してオリックスが建設中のマンションとも屋上庭園と繋げ、入居者の憩いの場ともなる。視察した権利者は、一様に感心し、参考になったと話している。高島屋南地区の権利者は、事業の都市計画決定を目前に控え、なんばパークスのような事例を参考に、高島屋南地区の実情にあった、新しい商業施設の再開発に本格的に取り組む段階をむかえている。 |
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