最近、名古屋は元気だと言う論調の新聞や雑誌の記事をよく見かける。そして、大阪(関西)の衰退ぶりが比較される。仕事柄、ゼネコンの人々とのつきあいが多いが、彼らも同様の意見を言い、名古屋のほうが受注高が多いという企業もあるようだ。バブル崩壊後、金融再編により都市銀行の本社機能は東京に集中し、企業の経営再編により、本社機能が東京の大規模再開発のビルに吸収されていったからと言われている。
そんななかで、大阪難波にあった大阪球場の跡地に「なんばパークス」が本年10月7日にグランドオープンした。この事業は南海電鉄と高島屋による都市再開発事業(敷地37,179u)で、延床面積297,000u(容積対象)、駐車台数1,250台の全体像のうち、第1期計画の147,000u(商業系60,000u、オフィス系60,000u、残りは共用スペース)が完成した。関係者が集まってつくった研究会発足から17年、組合設立から8年の年月が経っている。
なんばパークスのウリはなんと言っても8,000u(全体完成後は10,000u)の段丘上(3〜8F)に広がる屋上庭園パークスガーデンである。緑が少ない難波において、都心のオアシスを提供すべく235種類、約4万株の樹木や草花が植栽されている。そして、そこにはカーニバルモール(1F)、キャニオンコート(2F)の特設会場や円形劇場(8F屋外)で各種イベントが開催できる空間がしつらえ、一層の集客効果を高めている。(楽に庭園を楽しむなら、まず最上階の8階まで上って、あとは階段で下りていくとよい。)
なんばパークスは、福岡にあるアクロスとサンディエゴにあるホートンプラザを兼ね合わせたイメージである。調べてみると、なるほどホートンプラザを設計したジョン・ジャーディ(福岡のキャナルシティもそうだ)が加わっているわけだ。
最近では都心に自然(といっても擬似自然だが)を導入する動きが盛んである。名古屋栄の地下街も「森の地下街」がある。シャッターに木を描き、鳥の囀りを流し、空気はマイナスイオンと光触媒でリフレッシュするという寸法である。JRセントラルタワーズにも屋内庭園がある。
さて、このなんばパークスはなんばシティと隣接している。大規模な商業・オフィスプロジェクトは大阪活性化の起爆剤になるのであろうか?都市が世界都市化するなかで、大阪の機能は東京に吸い取られはしないだろうか?三男坊の名古屋は、大阪を興味深く見守っている。
なんばパークスのパークスガーデン入口(3F)
各階の面積規模ではそれほどガーデン面積は多くないが、段丘上に緑があるので、視覚的には豊かに見える。いい手法かも
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ここだけ見ると雑木林のなかのようだ。 |
8Fにある円形劇場。DJの語りと音楽だけでも
結構人が座っている
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やっぱり、ジョンジャーディだ。 |
せせらぎもあるでよう。 |
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