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「千里中華街」―日本最大級の屋内型中華街―
 今年5月、大阪千里ニュータウンの最寄駅となる千里中央駅に隣接する築30年を迎えたショッピングセンター「千里セルシー」に日本最大級をほこる屋内型中華街「千里中華街」が誕生した。セルシーは、ニュータウン開業時に建設された旧いビルで、中華街のあったフロアは、以前はボーリング場等のスポーツ・アミューズメント系のテナントが入っていた。その他、無印良品やスターバックスなどの人気テナントも入る。これまで商業ビル内に中華街風のフロアを設けた事例は、立川、お台場(小香港)、北九州にあり、この千里で4例目だろうか。



 フロアは、「北京ゾーン」と「蘇州ゾーン」に別けられ、大小合わせて26の飲食・物販テナントが入る。中華料理は、少し高級感のあるものから庶民的なものまでバラエティに富んでいるが、客の入りがいいのはやはり回転飲茶とバイキング形式の店舗だ。料理人も中国からやってきた店舗も多く、「本格派」の味を提供している。また、飲食以外にも風水占い、チャイナドレスによる写真撮影、中華食材販売、家具・雑貨販売なども揃う。


 フロアデザインは、瓦や壁の色調、デザインに統一感をだし、中国の街並みの雰囲気を醸し出している。また、フロアの照明も時間がくると昼から夜へ変化し、それにあわせて各店舗内の照明も微妙に調光されるなどの演出もある。

 テーマ性のある飲食施設はラーメンに始まり、中華、カレー、餃子など近年話題となっている。店舗デザインやフロアデザインに工夫を凝らしアミューズメントの要素を盛り込むとともに、客からみるとそこに出店した店舗は"選ばれた店"といった印象を受け、その魅力に付加価値がつき人気となる。時を同じくして名古屋にも「中華街」なるものの計画が進みつつある。規模では千里には及ばないが先進事例とは違った魅力をうちだし、注目されることに期待したい。
  (2002.8.19/村井亮治