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ユニバーサルな社会への総合生活提案館「ATCエイジレスセンター」

大阪市
 大阪南港のアジア太平洋トレードセンター(ATC)に平成8年に開設された、ユニバーサル商品の展示施設。高齢・福祉市場へ参入する企業の営業活動のサポートを主目的に、「ユニバーサルな社会への提案」「次世代産業の育成」「海外福祉先進国の情報の紹介」の3点において、年齢やハンディのあるなしに関わらず、豊かな生活を送ることの出来る社会の実現をめざす。
 平成7年、朝日新聞がメディアとして高齢化社会に向けての対策を検討し、ハード拠点の必要性を感じたことから、大阪市に相談を持ちかけたところ、福祉産業の育成を課題とする経済局が協力を申し出た。そこへ入居者を募集していたATCが床提供を申し出て、三者のニーズが合致し、実行委員会をたちあげた。半年の協議を経て、平成8年4月、ATCのITMビル11階に3,000uでエイジレスセンターを開館させた(現在は5,000uにスケールアップ)。
 開設当初はブース形式の企業展示がほとんどであったのが、最近はブースを減らし来訪者が体験できるような工夫がされている。本物そっくりのバリアフリーローソン、銀行のATM、駅の改札とプラットフォームなど、館内につくられた建物や街並の中での「移動」を通して、どんな人にもハンディを感じさせないバリアフリーの街づくりが提案されている。その他、電動車椅子の試乗コーナーやバリアフリーのアイディア満載の住宅展示などがあり、老若男女それぞれの視点で楽しめる。来館者数は年間約17万6千人(平成13年度)。全国の自治体、社会福祉協議会、福祉施設、ケアマネージャー、ホームヘルパーなどの見学者も多く、また海外からの視察も多い。団体見学件数は毎年2割、増加している。

 (2002.9.24/竹内 郁)