長野県飯田市のりんご並木は、戦災復興の中で中学生の発案によって作られるとともに中学生の手によって守られ、まさに飯田市のシンボルとして多くの人に知られている。
この「りんご並木」がワークショップによる議論の結果、歩行者優先の公園のような道路になったということを聞き、訪れてみた。
以前は中央の緑地帯にりんご並木があり、その両側に車道がある普通の道路であったが、それがまさに公園となっていた。特に、訪れた日はゴールデンウィーク中でウォーキング大会「やまびこマーチ」の主会場となり、屋台が出たりしていたのでなおさらだった。
幅員30mで6000台/日の交通量のあった都市計画道路がコミュニティ道路に変わったというのは驚きだ。道路構造令では1000台/日を超える幹線道路では歩・車道分離を義務づけている。普通なら絶対実現しそうもない案が国との粘り強い交渉の上、「ポストモータリゼーションのモデル」ということで認められたという。
この背景にはこの計画づくりに中学生をはじめ多くの市民がかかわり、長い時間をかかって計画づくりが行われたこと、まちづくり交通計画によって内環状線の内側は歩行者系に変えるという方針を打ち出したことがあるという。
とはいえ、この事例は不可能なことが可能になった事例として注目できる。時代も変わってきたということだろう。無理だと思って簡単にあきらめるなかれである。
南側の動物園のあたりからみた全景
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南側入口
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北側入口
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中央部分
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歩行者優先示す看板
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やまびこマーチの主会場に
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屋台がでている
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隣接する再開発
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地方都市の再開発のあり方を示す事例
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