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スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定)   □[第402号]2015/12/8□  □配信数 732□


スペーシア・メールマガジンの第402号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。

<内容・目次>
 ◆名古屋まちづくり情報◆
 ・国登録有形文化財小栗家住宅と知多の”醸す”産業によるまちづくり
 ◆住まい・まちづくりコラム◆
 ・見せる山車蔵
 ◆読者の声◆
 ◆スペーシアのこの頃◆

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◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○国登録有形文化財小栗家住宅と知多の”醸す”産業によるまちづくり○

 業務の関係で、愛知県半田市にある小栗家住宅を見学できる機会に恵まれた。
 小栗家は1600年前後から続く家系で現在の当主は14代目として継承している。
 小栗家住宅は、築後140年超経過し、部分的に手が加えられつつも、その当時のまま
という部分もあり、主屋、書院、茶室などが配置され、それら8件が半田市で初となる
国登録有文化財の指定を受けた。
 当日は、当主から小栗家の家系なども紹介され、小栗家は代々酒造中心の事業を
営んでいたが、時代の流れから味噌や醤油へとシフト。一方で隣接する同業だった
中埜家(ミツカン)はお酢へとシフトし、大きな発展を遂げられた”ライバル”との歴史も
紹介された。 
 建物内は、吹き抜けの大空間を有する土間や独特な建築様式がみられる茶室、細やかで
華やかな部屋の内装仕上げや調度品の数々など、見所が多い。
 当家は、昨年度まで建物の一部を開放し、半田市の蔵のまち観光案内所として
活用されてきたが、今年度になり案内所が移転したことから、ごく限られた機会でしか
内部をみることは難しくなり、貴重な体験であった。
 また、この小栗家が立地するエリアは海運で活用された運河沿いに建つ蔵のまちとして
行政も街並み整備に取り組み、最近ではミツカンによるMIZKAN MUSEUMがオープンするなど、
知多のものづくりの特徴である”醸す”を楽しめるエリアでもある。さらに、中埜家や小栗家も
携ったカブトビールの製造工場でもあった半田赤レンガ建物が補修を終え、新たに
展示スペース等を備えた施設として再生され、運河沿いを散策しながらの施設巡りも
楽しめる。
 この地域は、半田のお酢をはじめ、隣接する常滑のお酒、醤油、武豊の味噌、溜まりなど、
”醸す”産業の歴史あり、企業博物館も多く整備され、行政区を超えて産地をつなぎPRする
などの連携をはかってきている。これらは、知多半島のほぼ中心に位置し名古屋をはじめ
三河方面からのアクセスも容易で、今後の取り組みにより街の賑わい、活性化に更なる
期待がかかる。
(村井亮治)

〇半田市観光ガイド 蔵のまち散策紹介
http://www.handa-kankou.com/tekuteku/teku_kuramachi.html
〇MIZKAN MUSEUM HP  
http://www.mizkan.co.jp/mim/

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◆住まい・まちづくりコラム◆
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○見せる山車蔵○

 愛知県は山車まつりが多い。何台もの山車がだされる祭りもあり、山車の数は相当数に
のぼる。当然、山車を保存する山車蔵の数も多い。山車まつりを見ることができるのは
年に数日のみだが、山車蔵はいつでも見ることができ、山車蔵があることによって山車
まつりのあるまちであることがわかる。山車蔵を見て回れるようなものとすることでまちの
活性化につなげていけないかという発想がでてくるのは当然なのかもしれない。
 そのような見せる山車蔵の事例として最近見学することのできた3つを紹介したい。
 まずは埼玉県川越市。歴史のあるまちとして観光客も多い。その拠点の1つである
小江戸蔵里の一角にある山車蔵の側面には小窓がついており、中に保管されている
山車を見学できるようになっている。夜はライトアップもされ、まちの賑わいづくりに
貢献している。なお、川越では他にも4つの山車蔵において側面や背面に小窓が設け
られている。
 福井県坂井市三国では17の山車蔵のうち6つは扉の一部がガラスとなっており、正面から
山車蔵の中をみることができる。三国祭では毎年、新しく人形が作られる。人形師が
作成し、祭りが終わると壊すのが伝統だったが、人形師が1人になってしまい、町内会で
自主制作するところが生まれ、その人形については壊すのはもったいないと展示するように
したという。山車蔵のデザインも統一感があり、山車蔵をみてまわろうという気にもなる。
 群馬県高崎市には38台もの山車があり、地区をわけて隔年で巡行する。あら町の
山車蔵は高崎のシンボルロード沿いに移転新築する際に、地元住民が展示式山車蔵に
したいと先進事例を視察し、シャッターの内側にガラス扉を設け、シャッターをあげれば
ガラス越に中の山車を見ることができる山車蔵としたという。まつりにむけ隣の集会所で
お囃子を練習する際(月〜土、夜2時間)にはシャッターを開ける。元旦の駅伝やだるまマーチ
というウォークイベントの際にもシャッターを開けてみてもらうという。
 いろいろ話を伺うと常時山車蔵の内部をみることができるようにするにはいろいろ課題が
あるようだが、山車蔵を活かすことによって、そのまちの個性が浮き彫りになってくるのは
間違いない。愛知でも山車蔵の有効活用が広がることを期待したい。
(石田富男)

→ホームページで写真を掲載しています
http://www.spacia.co.jp/Topic/column/dashigura/

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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)

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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・先日、ある大学のインターンシップの報告会に参加しました。こういう機会は初めて
 でしたが、いろんな団体で学生たちが経験したことを報告で聞き、正味10日間程の
 短い期間の中で、我々が考えているよりももっと多くのことを感じていることを知りました。
 実りのある報告会だったと思います。(T.A)

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