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 ◆  ■   ■  ■  ■  ■ ■  ■  □[第152号]2006/5/1
◆   ■  ■  ■■  ◆ ■ ■  ■■ □−−配信数 670−−□

 スペーシア・メールマガジンの第152号をお送りします。
 名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
 
<内容・目次>
  ◆まちのトピック◆
  ・愛知まちコン講演会「良好な都市景観形成のために」 (5/18)
  ◆名古屋まちづくり情報◆
  ・名古屋市西区「ものづくり文化の道」ガイドブックの完成
  ◆住まい・まちづくりコラム◆ 
  ・家造りの現場から見えてきたもの
  ◆読者の声◆  
  ◆スペーシアのこの頃◆ 

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 ◆まちのトピック◆−スペーシアに関わりのある出来事や皆さんからの情報を紹介−
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○ 愛知まちコン講演会「良好な都市景観形成のために」 ○

 まちづくりの新たな動向や法制度の整備など景観を巡る環境が大きく変化する新たな時
代を迎え、今後の良好な都市景観形成に向けて何がポイントになるのでしょうか。県内各
地の景観形成に様々にかかわっておられる瀬口哲夫先生をお招きし、みなさんといっしょ
に考えて行きたいと思います。

【日時】2006年5月18日(木)  15:00〜16:45
【場所】(財)名古屋都市センター 11階 大研修室
  名古屋市中区金山町1−1−1 金山南ビル
【講師】瀬口 哲夫氏(名古屋市立大学大学院教授)
【参加費】 無料
 下記にチラシがあります
  http://www.interq.or.jp/japan/ai-machi/katudou/2006/060518/060518.pdf
【参加申し込み】
*下記事務局までメールかFAXで。
 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 津田あゆみ 宛  TEL : 052-203-5322
 ayumi.tsuda@murc.jp 
*締切日:5月11日(木) 

〜スペーシア・石田〜

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 ◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○ 名古屋市西区「ものづくり文化の道」ガイドブックの完成 ○

■「ものづくり文化の道」とは
 「ものづくり文化の道」は、おおむね北は美濃路、南は円頓寺商店街、東は堀川、西は
環状線に囲まれたエリアで、そこには@名古屋扇子、名古屋友禅、和凧、菓子製造などの
職人の技と産業、A産業技術記念館やノリタケの森といった拠点となる産業観光施設、B
四間道や美濃路、円頓寺商店街などの物語のある街並みや商店街の3つの地域資源があ
る。「ものづくり文化の道」を一言でいえば「ものづくりを中心としたこの地域の魅力を
再発見し、人とモノとの連携を図ることによって、地域の誇りを取りもどし、元気になる
まちづくり」エリアとでも言えよう。
 昨年度(H17)、「ものづくり文化の道」推進協議会が全国都市再生モデル調査を受け
ることができたが、その主要2点を整理したのが次である。

■歩行者支援による回遊性の強化
 「ものづくり文化の道」は200haと広く、当エリアを徒歩だけで歩き回るのは限界が
ある。といって公共交通機関を導入するには人流の密度が薄いため、歩行支援のためのベ
ロタクシーの導入実験とレンタサイクルの導入を検討した。前者は利用者にとっては評価
が高いが、運行するためのスポンサー(車体へのラッピング広告)がつくかどうかが課題
となった。つまり栄や名駅、万博会場のようには人流の密度の高くないところを走行する
場合はPR効果が低いと判断されるおそれがあるということである。後者はほとんど運営
困難との判断となった。そこでレンタサイクルでなくサイクリストが、すなわち自転車利
用者(イメージとして自転車所有者)が訪れる場所にしていくという、発想の転換を行っ
た。地形が平坦であり、様々な資源が点在し、一定の歩道が整備されているので自転車利
用がしやすいエリアとの評価がワークショップによって得られた。丁度自転車で周遊する
には格好のエリアである。このワークショップを実施した結果、書籍「名古屋ゆうゆう自
転車散歩マップ」で11コースの筆頭コースに取りあげられた。

■ガイドブックの作成を通じての地域資源の整理とボランティアガイドの育成
 「ものづくり文化の道」のガイドブックを作成した。これは本推進協議会のメンバーを
中心に、それぞれの思いを込めて執筆している。このガイドブックは、第一に「ものづく
り文化の道」エリアで暮らしている人々が、ここがどういう街なのかを知り、誇りを持っ
て生活していくための生活ガイドブックとしての活用がある。これを教材に住民が学べ
ば、ボランティアガイドの育成につながる。第二に「ものづくり文化の道」を訪れる人々
が事前に学び、また楽しく歩くための観光ガイドブックとしての活用である。文章半分、
写真・図が半分の構成である。
 具体的には、第1章は「元気な名古屋のルーツをたどる/ものづくり文化を体感する産
業観光への誘い」、第2章は「ものづくり文化の道の形成/ものづくりの歴史的背景」、
第3章は「円頓寺界隈には名古屋のお宝が詰まっている/人情あふれる円頓寺商店街界
隈」、第4章は「なんでもものづくり文化の道」の4章構成に加え、資源マップと自転車
マップの2枚の地図を添付している。
 このガイドブックを是非市販本として扱っていきたいと考えている。乞うご期待。
(井澤知旦)

→ホームページにガイドブックの表紙と裏表紙を掲載しています。
 http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/nisiku2/index.htm
裏表紙にはISBN(日本図書コード)を遊びで入れている。市販する意気込みを示して
いる。

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 ◆すまい・まちづくりコラム◆
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○ 家造りの現場から見えてきたもの ○

 すでに、1年以上前であるがこのメールマガジンで自邸の設計をしていると書いたが、
いよいよ完成が近づいてきた。工事は順調に遅れ、7月には必ず完成する。去年の12月か
ら工事に入り、3月に建前を行い、4月には民間検査機関による中間検査を無事終えた。工
事中、いろいろな問題が発生するが依頼した工務店は、私の気がつかぬ所まで気を配り、
見えない部分で設計以上のことをして頂いていて、感謝している。

 私の設計では、普通ではやらないような部分があるのだが、それは全て理由があるので
私のとっては「当然」のことである。しかし、この「当然」が造る方にはなかなか伝わら
ないし、私が「当然」と思って現場で確認するのを怠ると、違うものが出来ていてびっく
りするということが発生する。これを防ぐには担当者や大工さんとよく話し合うことが必
要であるが、これが最も楽しい仕事のひとつである。自分の思い描くものをいかに造るか
をみんなの知恵を借り、問題を解決するわけである。例えば、私が「コンセントは巾木の
上端にそろえたいため、床から高さ12cmで取りつけて下さい。」と言うと、工務店は
「胴縁が当って無理です。普通は25cmです。」「そこをなんとか…」(ワイワイとみん
なでメージャーを持って会議室の巾木を計り出す。)「堀内さん、18cmなら何とかなり
ます。」「では、それでお願いします。」というような調子である。デザイン的には巾木
の上端にそろえられないなら、25cmも18cmもあまり違いはないが、この7cmに施工
者の愛を感じるのである。住宅というのは、車や電気製品などの大量生産品と比べると、
ほとんどの部分が人の手で造られ、造りながらデザインを決定して行く部分も多く、マン
ションや建売住宅でも一品生産の製品であると言って良い。せっかく一品生産なのだか
ら、そこに施主の考えや造り手の愛が介在するかしないかは大きな価値の違いではない
か。私は一見意味のない7cmに価値を感じる。

 以前、ある方に自宅の建設にまつわるこんな話を聞いた。その人はモダンな家を夢見て
いたのだが、頼んだのが腕の立つ大工さんだったため、逆にちょっとしたもめ事が発生す
る。その家は大きなリビングを引き戸で2部屋に区切れるような設計になっていたのだ
が、大工さんにはそれがどうしても和風の続き間に見えるらしく、引き戸の上に「ここは
腕の見せ所」とばかりに立派な欄間を彫刻してしまったのだ。シンプルな洋風のリビング
にそこだけコテコテ民芸品のような欄間が付いてしまい、当然取ってくださいということ
になる。しかし、大工さんも自分の最高の技術で彫り上げたものに対する意地があり、後
には引けず納得しない。結局そのまま、完成となるのだが、しばらくして、その人はそれ
で良かったと思うようになったそうだ。シンプルな仕上げの内装に人の手作業を実感でき
るその欄間があると、なんだか落ち着くような気になってきという。その人にとって新た
な価値を発見できたのである。価値とは人が誰かのために額に汗して働いてくれたときに
芽を出すものではないか。それが、今の社会では、間にいろいろな人が介在するため、価
格に置き換えられてしまい、価値を価格でしか判断ができなくなってしまっている。家造
りの現場ではさまざまな人が、自分のために額に汗して働く姿を実感でき、自分の新たな
価値を発見できる貴重な機会となる。

 さて、「普通のマンションがいい!建築家の家はいやだ!」と言っていた保守的なうち
の妻は、私の設計した家をどう思っているか。やはり生活してみないと何とも言えない
が、だんだん空間が出来てくるにしたがって、喜んで工事現場に行くようになった。家の
ことでは妻の堅実な考えと私の建築家としての理想とがぶつかり、よく喧嘩になったが、
価値観の違う意見を切り捨てることなく悩みながら設計した結果、どこにもない家ができ
る。一般的なの家ではないので、問題も発生するだろうが、喧嘩したり、悩んだり、失敗
したりしたことは「モダンリビングの欄間」のように住宅に刻まれる。それは私1人では
見出すことができなかった芽であり、さらにこれから生活しながら大きな価値へと育てて
いくことができるのである。(堀内研自)

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 ◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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 (みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします) 

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 ◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・以前、久屋大通の信号のパターンが変わって、歩行者にとって横断しやすくなったと
 紹介しましたが、どうも元に戻ってしまったみたいです。たまたま、この間だけ機械が
 狂っていたのか、それとも車利用者からクレームが入ったのか・・・。残念です。
 (ishida)

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◎ホームページでは一方的な情報提供に終わってしまいますが、このメールマガジン
 を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成
 できればと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガ
 ジンに掲載させていただきます。(このメールへの返信でお願いします)
◎バックナンバーはホームページに公開しています。
   http://www.spacia.co.jp/mm/index.htm
◎今後の配信を希望されない場合は、このまま返信して下さい。
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(株)都市研究所スペーシア  編集:石田
 〒460-0008 名古屋市中区栄5-1-32 久屋ワイエスビル5階
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