木造都市研究会「木愛の会」の見学会で、この4月に完成した新城市作手地区のつくで交流館と作手小学校、及び 2015 年6月に開所した新城市作手総合支所を訪問した。
この 3 つの施設は、作手総合施設整備事業として実施されたもので、旧開発センター跡地に作手総合支所が建てられ、旧作手総合支所跡地に開発センターの代わりのつくで交流館と旧作手地区の4小学校の統廃合に伴う作手小学校が建設された。設計にあたっては事業者選定のプロポーザルが実施され、東畑建築事務所名古屋事務所が選定され、住民ワークショップを行いながら設計が取りまとめられた。
作手総合支所は木造平屋。その北側に木造を基調とした一体的な施設として、木の香りが薫る小学校と住民たちが文化芸術に親しむ憩いの場が芝生の中庭を介して共存している。
木造の校舎とするため、1000平米以下に分棟し、RCの渡り廊下でつなぐという手法がとられている。木を美しくみせており、随所に木へのこだわりが感じられる。
児童は全校で80名。6学年の教室がグランドに面して並び、それぞの教室の前に玄関がある。反対側に広い廊下があり、特別教室や体育館、給食室、職員室、さらにはつくで交流館につながる。教室はやや狭いが、廊下と一体的に使うこともできる。
つくで交流館のホールは当初、多目的ホールとして想定されていたものが、そのような施設はほかにもあるというワークショップでの議論を受け、音響にこだわったホールとして作られた。コンサートや住民の音楽活動に使われるほか、小学校の授業でも使われるという。
様々な工夫が各所にあり、見所満載といった感じであったが、それとともに興味深かったのが、「そうじ世界一」という貼り紙。色違いの名前の書かれた紙が校舎の図面に貼ってある。1年から6年の縦割りグループが分担して掃除をしているのだ。
学年1クラスの場合、仲間が固定されてしまって好ましくないといわれる場合もあるが、縦割りグループであれば毎年新しい仲間が加わる。こんな小学校で子どもを学ばせたいと思わせる小学校だった。 |