スペーシア・メールマガジンでも度々紹介してきたみんなの森ぎふメディアコスモスが2015年7月18日にオープンした。岐阜市の中心市街地に位置する岐阜大学医学部等跡地に建設され、中央図書館、市民活動交流センター、多文化交流プラザと多目的ホール、各種スタジオ、交流スペース等から成る複合施設で、世界的な建築家の伊東豊雄氏が設計を担当した施設である。全体に空間が開放的で、県産材のヒノキなどを使った格子屋根に特徴があり、開架書籍が多く展示や閲覧スペースも充実した図書館があり、案内表示も工夫されている。2階の図書館に東・南・西の3面にテラスがあり、東側の
テラスは金華山を望められ、南側のテラスは広場「カオカオ」での催しを眺められ、西側のテラスは並木道「テニテオ」を眺められるなど景色もそれぞれ楽しめる。こうして施設を一通り見て回るだけでも楽しめる。
開館した7月18日から20日の3日間は記念事業「みんなの森のフム・ドキ・ワイ」、8月16日までの1か月間は記念事業「みんなのアート」、8月23日までの36日間はメディアコスモス南側の「みんなの広場 カオカオ」で音と食のコラボレーション「Beat」と様々な催しが行われる。この中で「みんなの森のフム・ドキ・ワイ」は、岐阜市出身のアーティスト日比野克彦氏、愛知県岡崎市出身で地元の岡崎市図書館交流プラザでの実績をはじめ市民参画の経験豊富な三矢勝司氏(NPO法人岡崎まち育てセンター・りた)をアドバイザーとして迎え、市民参画のワークショップを重ねて実施したものである。市民によるラジオ放送局「てにておラジオ」の開局、設計・監理を担当した伊東事務所のスタッフも参加した館内ツアー「メディコスアドベンチャー」、世代や国籍を問わずメディアコスモスについて語り合う「世界の茶の間 100人ワールドカフェinメディコス」、図書館を使って館内のお気に入りの本を展示していく企画「まちライブラリー みんなでおいてみま書架(しょか)」、犬との出合い方やふれあい方を学ぶ「めざせ!犬博士」、メディアコスモス周辺を自転車で巡る「メディコス発けったりんぐツアー(“けった”はこの地域の方言で自転車のこと)」など全て市民が企画したものである。そこに日比野克彦氏監修により身近な人々の日常のものを展示する「みんなのアート」も加わり、この3日間は多くの人が訪れにぎわっていた。
この開館記念事業をきっかけとして、今後も定期的に市民による事業が企画される予定である。開館がまさに運営のスタートであり、1年後、2年後とどのような運営がされ市民に親しまれる施設になっていくか、今後も注目していきたい施設である。
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