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公園づくりと維持管理
春日井市松河戸地区

 スペーシアでは、公園づくりワークショップに幾つか携わってるが、昨年度から私が関わっている業務として、春日井市松河戸地区での公園づくりがある。この地区は区画整理が進行中の地区(進捗率は現在70〜80%)であり、地区内には計7つの公園が整備予定されている。現在までに2つ完成したが、その内の1つは昨年度住民参加ワークショップで計画づくりを行ったうえで整備したものだ。今年度は、具体の公園整備はないが、今後5箇所の整備予定公園については、いずれも住民参加を基本として、公園づくりを順次進めていく予定となっている。

 今後も続く公園づくりは地元にとっては楽しく、夢のあるテーマであるが、実はそればかりではなく、シビアで現実的な不安解決も同時進行させていかなければならないことなのだ。それは維持管理の問題だ。この松河戸地区での公園づくりでもそれが大きな問題となっている。

 公園の維持管理については地元に委託している自治体は多いが、春日井市もそうで、年2回程度の清掃や除草などを地元町内会に委託している。町内会では現在それに従って、地区内にある3箇所の公園について管理を行っている。しかし、町内会参加者が高齢化しつつあることや、区画整理により新たに転入者が増えたものの町内会活動にほとんど参加しないことなどによって、人手不足が問題となっているのだ。特に、マンションやアパートなどに入居している人は、公園清掃はもとより、町内会活動に参加しない傾向が強い。また、町内会費を払っていても家賃や共益費に含まれているため、町内会に入っていることを知らない人もいたり、セキュリティの堅固なマンションでは会費徴収にも行けないうえ、ひどくなると回覧板も回せない状況にあったりする。今後公園が増えていく中で、町内会自体がこのような先行き不透明な状態のままで維持管理に対応していけるのかといった不安が町内会の人たちにはあるのだ。このままでは、住民皆のためにつくった公園であるのに、その管理負担が一部の住民だけに伸し掛かってくることにもなりかねない。

 うまくいっている他所の事例では、住民参加の公園づくりがきっかけとなって維持管理組織が立ち上がってスムーズな公園管理が行われ、またそれが地域コミュニティの活性化につながっているところもある。松河戸地区でも、これからの公園づくりを通じて、誰が公園の維持管理をするのかといった根本の問題解決から、さらにはコミュニティ全体の活性化にまでうまくつながっていいってくれればと思う。

(2006.12.11/櫻井高志)