全国路地サミットも7回目となった。2005年度に地域再生で路地のたたずまいの保全について調査した際に全国路地のまち連絡協議会(路地協)の存在を知り、東京神楽坂での第3回サミットに参加。以後、2006年の長野諏訪、2007年の静岡新居に参加。昨年の長野には参加できず1年ぶりの参加となった。
今年度は神戸市で10/24・25に旧二葉小学校を会場に開催された。今回は、関西の建築士会のメンバーが中心になり、準備のために関西路地サミットも行われた。本番の全国路地サミットでは路地を活かしたまちづくり手法に関して4つのワークショップが行われたが、それは関西路地サミットでの議論を踏まえての分類である。これまでは、法善寺横丁などの「お金を生み出す路地」が注目されてきたが、むしろ「生活のための路地」が多数あるとの認識のもと、「商業中心型」「商業生活複合型」「生活中心・平坦地型」「生活中心・斜面地型」という分類で議論が行われた。
私が関わっているまちづくりにおいても「路地からのまちづくり」の事例として、法善寺横丁や神楽坂を紹介しても「自分たちのまちとは違う」「路地からのまちづくりができるのは特別なところ」という反応がかえってくる。生活中心の路地からのまちづくりの事例は興味深かった。
生活中心・平坦地型のワークショップでは神戸市の駒ヶ林地区の事例が取り上げられた。ここでは神戸市の条例にもとづく近隣住環境計画を定めることのより、4m未満での路地での建替えを認めていこうというもので、大路地、中路地、小路地というネーミングがユニークであった。また、道路中心線から1.25mの範囲については道として確保するが、1.25〜2.5m後退線の範囲については、各自の判断で鉢植えなどを置いてもよいとする路地のルールも生活中心の路地らしさを示していた。4mは路地としては広すぎるという認識だろう。大路地というネーミングがそのことを表している。残念ながら翌日のまち歩きには参加できなかったが、1度じっくり歩いてみたいと思う。
路地協ではメーリングリストによる情報提供等を行っており、そのメンバーを会員としている。ホームページに会員の登録状況が紹介されているが、東海3県では碧南市大浜地区と常滑市やきもの散歩道地区、それに私の3名のみ。新たに参加する地区が増えている中でさびしい状況だ。路地サミットに参加すると各地の意欲的な取組みを知ることができる。東海3県からも路地からのまちづくりに関心のある方の参加が増えることを期待したい。
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