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コンパクトシティ・富山訪問 /富山市
  コンパクトシティと知られ、改正中心市街地活性化法に基づく基本計画の認定第一号となった富山を訪問した。
 富山市の新中心市街地は、旧中心市街地よりも一回り広く設定され、@公共交通の利便性向上、A賑わい拠点創出、Bまちなか居住推進を柱に様々な取組がなされている。
 富山駅前には大型商業施設が立地し、中心商業地へと続く主要幹線道路沿いには様々な業態の店舗が並ぶ。その途中には県庁や市役所、県民会館等の行政施設、富山城址公園や松川といった史跡・自然があり、市民生活の利便性と快適性が感じられる。また、富山には市民の地域間移動の足として路面電車が現存し、新たにLRTが整備されるなど、都市内交通の取り組みに対しても注目されている。趣のある車体の路面電車と最新のLRT、乗車してみると乗り物としての楽しさもその魅力といえる。
 中心商業地には、既存商店街とともに市街地再開発事業により建設された商業施設や大型駐車場施設が立地し、賑わい空間として行き交う市民の姿が多くみられた。ここでの再開発ビルは、店舗棟と駐車場棟との間に広場を設け上空をガラスの庇で覆い、厳しい冬の季節でもイベント開催や市民が憩える空間として整備されており、建築計画上だけではなくその事業の仕組みや権利設定など大変興味深い再開発事業といえる。広場は、商店街にも面しており、地域と一体化された賑わい空間として利用されている。しかし、再開発ビル近くには移転により空きビルとなった旧百貨店の建物や昭和40年代に建設されテナントが抜けて閉鎖された再開発ビルがあり、街の明と暗を垣間見ることができる。これらのビルの再整備が今後の中心商業地の賑わい向上につながることだろう。先進的な取り組みで注目される富山の今後に期待したい。 今回、初めての富山訪問だったが、徒歩と公共交通機関どちらで移動してもコンパクトシティとしての街の雰囲気を感じることができた。また、夜の繁華街には「運転代行」の車輛が何台も客待ちをしており、コンパクトシティとはいえ車への依存も高い街の風景もみられた。

富山LRT



まちなかイベント空間
  (2008.11.18/村井亮治 )