先日、博多でのエリアマネジメントの視察に訪れた。エリアマネジメントは、ここ数年、都市間競争、地域間競争の意識が高まる中で、エリアとしての魅力創出をねらった民間主体の取り組みとして注目されている。代表格は、東京大丸有の取り組みであるが、訪れた博多でもその取り組みが着実に進められている。
博多の核は、商業中心エリアとしての天神地区、ビジネスエリアとしての博多駅地区の2つである。両者の距離は約2km。名古屋の栄と名駅の関係に似ている。
天神地区では、西鉄天神駅周を対象に、西日本鉄道が中心となり、百貨店や商店街など商業者と共同で、「We Love 天神協議会」を立ち上げ(2006)、まちづくりガイドライン(中間報告)を策定、ホームページでも公開されている。協議会としては新しいが、その下地は歴史が長く、昭和20年代にまでさかのぼるため、取り組みも非常に盛んである。
一方、博多駅地区では、平成23年(2011)の九州鉄道全線開業とそれにあわせた新・博多駅ビルの開業(阪急百貨店が新たに入る)という一大変革を何とかまちづくりにつなげようと共通の目標を持ち、JR九州、企業・団体、自治体、学識者などが一体となって、今年度にまちづくり推進組織を立ち上げる予定である。現在まさにその直前の準備段階にある。博多駅地区も、立ち上げまでには、まちづくり研究会などの地道な活動が2002年からはじまっていた。
これらのエリアマネジメントの取り組みに対して、福岡市も、人的・財政的に全面的なバックアップをしている。「新・福岡都心構想」という官民共通のまちづくりの指針書(これまた、名古屋の「都心部将来構想」と似ている)を策定(2006)しており、そこでエリアマネジメントの推進を明記しているためだ。さらにその他の地区でも、主体形成に取り組んでいるという。
名駅でもエリアマネジメントの動きが見られるが、先進地に追い付け追い越せでがんばってもらいたい。地理的にも似通った部分の多いこの博多の今後の動きもまた追っていきたい。 |