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全国路地サミット2006 in 諏訪
 「魅力ある路地の創造」をテーマとする第4回全国路地サミットが長野県諏訪市において開催された。主催は全国路地のまち連絡協議会(路地協)。碧南市大浜地区のまちづくりに関わる中で、路地協の存在を知り、昨年の神楽坂に引き続いて参加した。

 これまでのサミットは、東京、大阪、東京と開催されており、地方での開催ははじめて。諏訪市では、今年度より「辻と小径の景観支援事業」をたちあげており、路地を活かしたまちづくりを支援するしくみとして注目されること、路地協世話人の今井晴彦氏が諏訪市都市計画アドバイザーを務めていることが縁で同市で開催されることになった。路地のまちづくり報告では、新居町など新たに路地協に加わった地域からの報告もあり、路地を活かしたまちづくりが広がりつつあることを実感させた。
 また、今回のサミットでは、市民活動から市長に転身した山田市長の熱意が感じられたのも大きな特徴である。山田市長が立ち上げた上諏訪街道21が主催する、前日の呑みあるきイベント(参加できなかったのが残念)から始まり、当日午前中の路地散歩でも市長と助役の2人が案内人となり、サミット本番、その後の懇親会でも大活躍された。市長の全面的な後押しのある事業にとりくむ諏訪市がうらやましく思えた。

 諏訪の路地については、神楽坂などと比べると景観的には見劣りするが、共同浴場やお湯がでる場所が随所にあることが大きな特徴であり、これを活かした景観整備ができればまちの魅力はアップするに違いないと感じた。景観整備というと観光客を呼ぶためという意識があって地元から敬遠されるといった点も指摘されたが、住んで心地よい空間をつくるために実施することが重要だろう。しかし、住民は往々にして地域の魅力に気がついていないことが多く、住民によさを気づいてもらうために、よその人間を集めるといった戦略も必要になってこよう。

 「路地からのまちづくり」については昨年のサミットをきっかけに学芸出版で本の出版が予定(12月)されており、事例報告の1つとして碧南市大浜地区の原稿を共同で執筆させてもらった。大浜以外にも魅力的な路地を有する地域は多い。まちの記録を伝える場所としても路地は重要な存在であると感じている。次回サミットは静岡県新居町で開催される予定である。東海地域からも多くの参加者が集うことを期待したい。


【参考】
○第3回全国路地サミットについては下記で報告しています。
   http://www.spacia.co.jp/Mati/sisatu/kagurasaka/
  
○全国路地のまち連絡協議会(路地協)のホームページは下記です。
  http://www.mmjp.or.jp/jsurp/roji/roji.htm
まち歩きの案内をしていただいた山田市長

諏訪の路地

随所にある共同浴場

ひねればお湯がでる

共同の洗い場(お湯がでる)

上諏訪街道呑みあるきが行われた造り酒屋の1つ

おらほのまちづくり事業で整備された「神宮寺神苑」
 同事業は「辻と小径の景観支援事業」の前身となった事業で、「自分達のまちは、自分で考え、自分でつくろう」という主旨のもと、H13〜17年の5年間で18地区で広場や憩いの場づくりなどが取り組まれた。

火の見櫓が多いのもこの地域の特徴か?


  (2006.10.12/石田 富男)