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うどんの国 讃岐
 讃岐うどんが全国的なブームになり始め、「うどん巡礼」という言葉が生まれたり、全国各地からうどんバスツアーが企画されたりしたのが2000年ごろのことである。2002年の夏に「うどん巡礼」のために訪れたことがある。ブームの最中であったものの、香川県民の知人の案内や平日という好条件のもと、1日でうどん屋を5軒ハシゴし、その美味しさ、安さ、奥深さを十分に体験することができた。ブームの火付け役になった「恐るべきさぬきうどん」という讃岐うどんのガイドブックを片手に巡礼している人を何人か見かけたことも印象的であった。

 この大型連休を利用して4年ぶりに四国を訪れる機会に恵まれたので、讃岐うどんを食べることにした。ブームも落ち着いていると勝手な想像をしていたが、現実は大きく異なっていた。製麺所に併設して作られた讃岐ならではの有名なうどん屋を訪れたところ、開店直後であったのに200人以上の行列ができており、以前よりも拡張していた駐車場にも入れず、警備員の案内のもと路上駐車をし、1杯100円のうどんを口にするまでに1時間20分かかった。次に、お気に入りのもう1軒のうどん屋に足を伸ばしてみると、先ほどのように行列はできてないもののお客の足は絶えることはなく、1軒目の行列にいた人も何組か確認することができたし、ガイドブック「恐るべきさぬきうどん」を手にしている巡礼者も見られた。どちらの店でも変わらぬ美味しさを感じるとともに、まだ讃岐うどんブームにはかげりがなく、「うどん巡礼」としての1ジャンルを確立していることを実感させられた。

 1杯100〜200円という手ごろな値段で食べ歩きが可能、「製麺所」という非日常的な空間、うどんの味付け以上に個性豊かな店のおじちゃんやおばちゃんなど、様々な魅力が「うどん巡礼」を確立した要因にあげられる。また、先ほどあげた「恐るべきさぬきうどん」の著者である「麺通団」のメンバーの一人が語った「香川は讃岐うどんのテーマパークである」という言葉には非常に納得させられる。

 客が増えることで路上駐車の問題や近所とトラブルが発生したりと良くない面もあるが、人気が出たことで後継ぎができたうどん屋も数店あるそうだ。また、香川県丸亀市出身の映画監督である本広克行氏による讃岐うどんをテーマにした映画「UDON」が今夏公開予定であり、うどんの国 讃岐はますます見逃せない。


200人以上の行列が続くうどん屋。写真右奥が入り口

(2006.5.9/山崎 崇)