現在の位置:TOP>まちづくりを学ぼう>視察レポート>大阪がつまったフードテーマパーク WWW を検索 スペーシアサイト を検索

 

大阪がつまったフードテーマパーク
「道頓堀極楽商店街」
 大阪道頓堀のほぼ中心に誕生した新名所「道頓堀極楽商店街(H16.7オープン)」を視察した。ビルの外観は、こてこてした意匠が多い道頓堀の中でも目立つえびす様の看板が飾られ、大阪らしさが伝わってくる。

 商店街は、複合ビル「サミー戎プラザ」の5〜7階(約900坪)にあり、フロアに着くと"はいからさん"の衣装に身を包んだ店員が出迎え、館内の説明を始める。館内の店舗での支払いは事前に渡される「通行札」を提示するだけで済み、財布がいらず気楽に食事や買物ができる。この種の施設にある入館料も不要(この時点では)で、「支払いは全てお帰りの際に」と笑顔で説明を終えた。

 館内は、大正時代の商店街をイメージして造られ、たこ焼きやお好み焼きといった大阪の味処やグッズショップが並び、食文化豊かな古き良き大阪を堪能できる。食事中心の店舗構成だが、芝居小屋や縁日の出店が並ぶお祭り広場もあり、様々な楽しみ方ができる。

 買い物や買い食いをしてみると、後払い方式の通行札は便利で、店舗ごとで財布を出す手間もなく、スムーズにみて回れる。そのせいか、つい買い食いも進み、時間を忘れて食べ歩きをしてしまった。代金は出口の精算所で支払うが、入場料(315円)も加算されその金額の多さにやや驚かされた。手軽さのあまり余計な買物をしてしまったようだ。道頓堀商店街は、大阪の地域性や食文化をテーマにした内容で話題性はあるが、こうしたフードテーマパークは、ラーメンに始まりカレー、餃子、中華、ケーキなど全国各地で展開されている。既に大阪では天保山や難波でも開業しており、新鮮さはさほどない。さらに、道頓堀界隈そのものがフードテーマパークのようなエリアなだけに、観光客を引き込む工夫に注目したい。

 最近の都市開発の話題は、東京の派手な大規模プロジェクトや元気な名古屋が中心で、関西に目を向けたものは少なかった。しかし、関西でも今回の施設や梅田駅周辺で大規模な再開発が完成するなど話題がない訳でもなく、元気を取り戻す要素はある。 

 さらに今年のプロ野球に目を向けると、地域の景気動向を反映しているかのように(序盤は)ドラゴンズが好調で、その次はタイガースだ。この先愛知万博やペナントレースが終盤を迎える秋頃に笑うのはやはり名古屋か、それとも大阪か東京のどちらかになるのか、気になる所でもある。




  (2005.4.25/村井亮治)