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 長野市善光寺門前界隈を訪れて

  先日、出張次いでに、長野市の中心市街地をブラブラ歩いてみた。
 長野市の中心市街地である善光寺門前界隈では、空き家をリノベーションして再活用した店舗等が多く見られる。所謂“エリアリノベーション”が地元のデザイナーや建築家によって積極的に進められている。その多くは、善光寺につながり観光客の往来も多いメインの参道沿いではなく、その1本奥の観光客があまり通らない普通の通りにある。その数は、地元デザイナーがリノベーションスポットをまとめた小冊子「古き良き未来地図」(改訂版、2015年発行)をみると、60軒ほど紹介されており、その数には驚かされる。今回はこの地図を頼りに、できるだけ表参道を避けて、裏側を中心に歩いてみた。
 やはり裏側は表とは違いほとんど人は歩いていなかった。しかし、少し歩くと、ここにも、おおっそこにも、とまちに溶け込みつつも、古い建物の良さを生かした個性的な雰囲気を感じられる建物が目に留まり、そこに足が向かってしまう。リノベーションしているのだか、完全に造り変えていない、従前の良さをうまく継承し、新しさも兼ね備えたところに個性と、そして人の温かみも感じた。1軒のカフェに立ち寄ったが、中も落ち着いた雰囲気でついつい長居をしてしまった。
 一方の表参道だが、歩道も拡幅され、修景も行き届き、お店も充実しているが、観光地であるためか、他所の観光地と似たような若者受けするカフェや雑貨店などが目立った。少し前に訪れた別の古い街並みを活かした観光地でも、同じような店が多く、同じような印象を受け、代り映えしないなあと感じた。集客を意識し過ぎているのだろうか。(一般論として)せっかくの個性ある歴史的な街並みも、中に入る店が同じだと個性が失われてしまう。歴まち観光地の“チェーン店化”とでも言うのだろうか。もったいないことだ。
  しかし、長野のまちは表と裏で異なる雰囲気を感じられ、気づきの多いまち歩きとなった。時間があれば、もっと店に立ち寄りたかったが、それは次の機会に回したい。皆さんも機会があれば、「古き良き未来」を感じられるまち歩きをしてみてはどうだろうか。

立ち寄ったカフェ兼シェアオフィス

ゲストハウス

表参道から1本奥の通り


修景された表参道
(2017.8.4/櫻井高志)