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京都の国登録文化財を視察
(愛知登文会 県外視察にて)

  弊社で活動・運営をお手伝いさせていただいている愛知県登録文化財建造物所有者の会(略称:愛知登文会)主催の視察会で京都を訪問しました。この視察会は、愛知登文会が県内の国登録有形文化財の所有者向けに、他都市の活用・保存事例を学ぶ機会として実施しているものです。京都府には、428もの国登録有形文化財(建造物)があり、これは全国で3番目に多い数です(文化庁公表データH26年1月1日現在。愛知県は391。)。京都登文会の方のご案内で市内にある以下の国登録有形文化財3カ所を視察しました。

*山本家住宅 −京の景観を守り伝える近代和風建築
昭和15年ごろに建てられた主屋や土蔵、正門など計4件が国登録有形文化財に登録されています。主屋は三間続く座敷や洋風の応接間、茶室などが配され、大規模な近代和風住宅の形態を今に伝えています。所有者の方から歴史等を伺い、茶室ではお抹茶のおもてなしをいただきました。個人住宅のため普段は一般公開されていませんが、春と秋に所有者主催の落語会などが開催され特別に公開されているそうです。

*冨田屋(とんだや)−明治前期建築の京のくらしを伝える建物
明治前期の表屋造の主屋と表蔵を配した大型商家で、上層商家の建築構成がよく継承されています。現在も生活の場・西陣織の商業の場として使われており、家業の傍ら一部を「西陣くらしの美術館」として一般公開され、京都に受け継がれる文化・風習にふれられる体験コースなどが設けられています。毎日の神仏事や昔から伝わる伝統行事、京町家の特徴などを伺い、建物が13代に渡り受け継がれている秘訣は?の問いには「神様の蔵「賓蔵」があり神様の気の流れがよいためでは」という回答をいただき、脈々と流れる京の感性に触れられたような気がしました。
冨田屋「西陣くらしの美術館」http://www.tondaya.co.jp/index.html

*レストラン・ノアノア(橋本関雪邸洋館)−日本画家が建てたコレクション・ハウス
日本画家の橋本関雪が自信のコレクション展示のために建てた洋館で、昭和4年建築当時に流行していたスパニッシュに和風が加味されたデザインが特徴的な建物です。現在はレストランとして活用されています。洋館がある庭園内には橋本関雪がアトリエ・住居として建てた和館や茶室等が現存し、白沙村荘の名で国の名勝にも指定されています。所有者の橋本氏に園内も含めてご案内いただき、大変充実した視察となりました。
白沙村荘 橋本関雪記念館http://www.hakusasonso.jp/

今回の視察では所有者相互の交流とあわせて登文会相互の交流も図ることができ、他登文会とのつながりを得ることができました。こうした組織間のつながりも大切にしながら、今後の会の活動に活かしていければと思います。

山本家住宅外観

山本家住宅茶室

冨田屋外観

冨田屋見学の様子

レストラン・ノアノア

白沙村荘にある関雪が建てたアトリエ
(2014.1.10/喜田祥子)