東日本大震災から1年4カ月が経過した7月の連休を使って、仙台・気仙沼など宮城県を
中心に現地を視察してきました。簡単ではありますが、視察してきた場所の現在の様子を
紹介します。
あすと長町仮設住宅
仙台市中心部から5km、JR東北本線長町駅と太子堂駅の東側において、都市再生機構が開発に関わる「あすと長町地区」がある。この一角の38番街区に、宮城県が建設した応急仮設住宅が設置されている。標準的なタイプとして単身者用の1DKタイプ(6坪)、小家族用(3人まで)の2DK(9坪)、大家族用(4人以上)の3K(12坪)が整備され、それぞれ、1DKが42戸、2DKが149戸、3Kが42戸、計233戸整備された。ここは、様々な地域からの被災者が入居していて、コミュニティ形成の難しさが懸念される中、入居者による仮設住宅自治会が発足し、自治会活動を展開している。
参考 あすと長町ニュータウン(仮設住宅)のページ
http://asutonagamachi.web.fc2.com/index.html
気仙沼市気仙沼地区、鹿折地区
気仙沼市は宮城県の北東端に位置し、リアス式海岸の変化に富んだ景観を有する。通常はほとんど波が立たない静かな海で、海岸沿いに市街地が点在する。漁業、水産加工が盛んで、カツオ、サンマ、高級食材のフカヒレなどの特産品を有する。
今回は、気仙沼漁港周辺に位置する気仙沼地区と鹿折(ししおり)地区を訪れた。地盤沈下した土地にかさ上げした道路が整備され、酒造業を営む男山本店の建物(国登録有形文化財)や、鹿折地域で今も打ち上げられたままの大型漁船、復旧のめどが立っていないJR大船渡線など、大津波により壊滅的な被害を受けた様子を物語っている。
こうした中でも、仮設店舗で営業する「気仙沼鹿折復幸マルシェ」「気仙沼復興商店街南町紫市場」「復興屋台村気仙沼横丁」を訪れ、被災しながらも笑顔でお客さんに接するお店の皆さんから、かえって元気をもらえる。
気仙沼鹿折復幸マルシェのページ
http://www.shishiori-marche.jp/
気仙沼復興商店街 南町紫市場のページ
http://kesennumafs.com/
復興屋台村 気仙沼横丁のページ
http://www.fukko-yatai.com/
仙台市若林区荒浜地区、名取市閖上(ゆりあげ)地区
仙台空港の北側を走り、名取川河口の南側に位置するのが名取市閖上(ゆりあげ)地区、名取川河口の北側に位置するのが若林区荒浜地区。いずれも津波の被害を受け、現在は資材の撤去が進んでおり、ここにかつて住宅地が存在したという様子は、わずかに残った鉄骨造や鉄筋コンクリートの建物等で確認できる程度。
荒浜地区は、震災後に仙台市の災害危険区域に指定されている。被害の危険性が高い地区では住宅の新築や増築などが禁止され、津波時に周辺住民の避難先となり、内陸市街地への瓦礫の流入を食い止めた仙台東部道路の西側地域へ移転を促進することとなっている。
閖上地区では、復興まちづくり推進協議会が組織され、被災市街地復興土地区画整理事業や災害公営住宅の検討がされている。
仙台市のページ「仙台市災害危険区域条例の改正及び沿岸部の災害危険区域の指定について」
http://www.city.sendai.jp/report/2011/1201429_1413.html
名取市の復興計画関連情報のページ
http://www.city.natori.miyagi.jp/fukkoukeikaku
この他にも、岩手県陸前高田市、宮城県石巻市、東松山市の沿岸部も回ってきましたが、荒浜地区、閖上(ゆりあげ)地区と同じようで、少しずつ被害の状況が違う光景が広がっていて、改めて超広域的に被害を受けたことを実感しました。これから、復興公営住宅、高台への集団移転、現地近くでのかさ上げ整備を含めた復興土地区画整理事業など、地域の事情に応じて様々な整備が行われていくようです。 |