大好評のステージイベント 「東海四左衛門 目利きでドン!」
四産地から四左衛門が登場。ウルトラクイズ形式で産地の魅力を披露。このイベントは各産地のやきものイベントにも登場する。
テーマ性を持ったテーブルコーディネートによる「やきもののある生活」の提案
四産地職人技術披露:産地にとっての「日常」が都市では「THE SHOW」になる。
2003年11月初旬、抜けるような青空のもと、栄オアシス21で「陶の国まつり」が開催された。「陶の国」は実際の場所ではなく、瀬戸・美濃・常滑・萬古のつくり手・売り手が東海地区の「やきもの」を更に飛躍させるために、個々の歴史・文化・技術を持ちより、連携するその心意気を象徴するキーワードである。
1999年12月に発足した「陶磁器産地活性化推進連絡会議」は、中国製品の攻勢などにさらされて危機感を募らせた産地同士が、一致団結して再生を期すために勉強会や討論会を続けてきた。そして2005年の「愛・地球博」の開催をきっかけに、低迷気味の陶磁器産地の復活を図ろうと、瀬戸、美濃、常滑、萬古の四産地の若手経営者たちが、「陶の国チャレンジプラン」と名付けた活性化計画を2002年春にまとめあげた。プランの柱は「新ブランド創造」、「魅力的なイベントの開催」、「産業観光の促進」の三つ。同会議では、ともすれば作文で終わってしまいがちなプランを実現しようと、様々な勉強を続け、その実践として今回の「陶の国まつり」開催にこぎつけた。
会期は11月5・6日の水・木曜日、会場には名古屋栄の集客スポット、オアシス21を選んだ。メンバーは時間帯を変えて何度もオアシス21に足を運び、平日の人の流れや客層を見て、ターゲットを絞り、イベントの内容や手法について熱い議論を交わした。
今回のキーワードは「知ってもらおう!愛そう!自慢しよう!」であり、消費者との接点を持つこと、やきものの廉売は決して行わないこと、また全員が「もてなしの心」を持って世界に誇る技術や産地のすばらしさをPRすることを確認しあい、当日に臨んだ。
天気にも恵まれた2日間は各種メディアで取り上げられたこともあり、予想を上回る来場客の多さにメンバー一同は嬉しい悲鳴をあげた。
歳時記にあわせた16テーマのテーブルコーディネートから好みの器を選ぶ女性グループ、やきものの笛の音に聴き入る子ども、職人の技をカメラに収める男性など、普段はなかなか触れられない消費者の生の感動や声を得ることができた。また、「愛・地球博」に向けて活動する他の団体とのネットワークが自然にできたのも今回のイベントの成果の一つである。
日中は産地でそれぞれの仕事がありながら、週に数回のペースで四産地の真中である名古屋に集うことは、並大抵の苦労ではなかったと思う。そしてそれを支えた関係機関や各市町の職員のパワーには頭が下がる。まさに「全員野球」で取り組み、それぞれに得た今回の手ごたえ・知識・自信といったものは今後の器づくりまたは地域づくりに必ず生かされるに違いない。
メンバーは、四産地が力をあわせてともに踏み出したこの最初の一歩に甘んずることなく、「愛・地球博」における具体的展開案、さらには地域活性化戦略などについて議論を深めている。